
ナジャ・フーサリ
ベイルート:月曜日、ベイルートを訪れたアントニオ・グテーレス国連事務総長は、現在の非常に「困難な状況」を克服するために、国際社会はレバノンへの支援を強化する必要があると述べた。
事務総長はまた、レバノンには昨年の港湾爆発事故に対して説明責任があること、また、来年実施予定の選挙が同国の政治的安定のきっかけになると述べた。
この発言は、ナビ・ベリ国会議長との会談の後にベイルート港を訪問し、同港で7年近く保管されていた化学物質が爆発した際に亡くなった数百人の人々のための記念碑に花輪を捧げた後に行われた。
レバノン公式訪問の2日目、グテーレス氏は視察先での所見を熱心に記録していた。
同氏は、レバノンの問題を解決できるのはレバノン人だけであると述べ、分裂を克服するために政治指導者たちが「一丸となって解決にあたること」を改めて呼びかけた。
同氏は爆発現場を初めて視察し、嵐のような雨天のなか、港とその周辺の被害状況を確認した。
そして爆発事故の犠牲者を追悼するプレートの前で1分間の黙祷を捧げた。
事務総長は、メディアオフィスから配布されたメモの中で、命を落とした犠牲者に敬意を表し、負傷者とその家族へ寄り添うため、この港を訪れたと述べている。
「私はその苦しみを知っています。真実を知りたいという人々の意志も知っています。人々の意志とは、国家に対し、適切な説明責任を果たしてもらうことです。私はあの悲劇の犠牲者すべてに、強い連帯の意を表したいと思います」
この日は、グテーレス氏とレバノンのナジーブ・ミカティ首相が議長を務め、国際機関・組織の代表者との幅広い会合が行われた。
アラブニュースの見解では、今回の会議の重要性は、国連機関の取り組みが「より効果的な結果を生み出すためには、現場で互いに連携する必要がある」という結論に達したことにある。
グテーレス氏によると、ミカティ氏は経済回復を促進するために「政府がIMFとの交渉を行うこと、および必要な数多くの行財政改革を実施することを約束していること」を確認したという。
ミカティ氏は、レバノンが「国際決議を尊重し、南部における国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の活動を固守する」ことを強調した。
同氏は、レバノンが「2011年の決定のとおり、アラブ諸国間のいかなる紛争にも関与しないという方針にコミットしている」ことを強調し、同国は「いかなる場合でも、アラブの兄弟の結束を損なう存在にはならず、すべての友人との最良の関係を築くことを強く望みます」と述べた。
ミカティ氏は、レバノンは多くの分野で緊急の援助を必要としており、疎外された層に加えて、最貧層と中産層への援助に重点を置いていると述べた。
また、社会保護ネットワークの拡大を特に重視すべき課題であることを強調し、議会選挙を滞りなく予定通り実施することを「決意」していると述べ「国連の揺るぎない支援を期待しています」と付け加えた。
国連事務総長は、宗教関係者との重要な会合に参加し、レバノンの動向に関するレバノンの各宗派の立場に耳を傾けた。
参加者たちのスピーチは、レバノンにおける政治的な立場の差異を反映していた。
彼らは共同声明の中で、「開放性、寛容性、共存という価値観は、レバノンのアイデンティティと安定の本質である」ことを掲げ、「コンセンサスとチームワークの精神に基づき、相違点を解決する手段として対話を選択する」ことを奨励した。
国連事務総長はその後、北部の都市トリポリを訪れ、住民や難民にサービスを提供する施設や学校を視察した。また、女性リーダーや活動家にも面会した。
ベリ氏との会談では、レバノン南部におけるUNIFILの存在と、「すべての停戦違反を終わらせる必要性」に焦点が当てられた。
グテーレス氏によると、ベリ氏は「レバノンへの領空侵犯、そして国連安全保障理事会の決議を完全に実施する必要性」に注意を喚起したという。
「我々は、国際社会がより強力に支援する必要があるUNIFILとレバノン軍の協力関係の重要性について議論しました。また、我々の活動としては、海上境界線の画定に関する迅速な解決につながることを期待して、交渉を促進するためにできる限りのことをしていきたいと思います」
共同記者会見の中で、ベリ氏は次のように述べている。「ある場所で騒動が起きた場合、その責任は我々の土地を占領しているイスラエルにあり、我々にはありません。毎日、イスラエルによるレバノン領空の侵犯があり、彼らは我々の領空を使ってシリアを攻撃していることさえあるのです」と述べた。
彼の発言は、国連がレバノンに対し、UNIFILの地上における部隊の任務遂行を容易にするよう要求していることを背景にしている。
ヒズボラはしばしば、私有地に入るという口実で、これらの警備部隊の活動を妨害している。