
ベイルート:シリアのラタキア港へのイスラエルの攻撃により、親政府民兵の少なくとも2名が死亡したと人権監視団が28日に発表した。
2011年のシリア内戦の勃発以来、イスラエルによる重要な物流拠点であるラタキアへの2度目の攻撃となった。
イスラエルは今年だけでもシリアに対して約30回攻撃を行っており、今回の爆撃でも、コンテナ群が炎上するなど大きな被害をもたらした。
英国本拠のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、「イスラエルの攻撃により、親政権派民兵のメンバー2人が死亡した」と発表した。
彼らは攻撃により重傷を負い、28日にラタキアの病院で息を引き取ったという。
死亡した2人の他にも民兵3人が負傷している。
シリアの国営メディアは、空爆で破壊されたコンテナは「自動車等の車両のエンジンオイルや修理用部品」を運んでいたと報じた。
一方、シリア人権監視団は、コンテナの貨物が「武器と軍需品」であると発表している。
シリア政府と同盟関係にあるイランは、今回の空爆を「非人道的で非道徳的」であり、イスラエルによる「地域に危機を生み出す挑発」の新たなケースだと非難している。
イランのサイード・ハティブザデフ外務省報道官は、イスラエルが虚偽の口実でシリア領土への攻撃を繰り返し、「あらゆる国際法、規制、規範を愚弄している」と糾弾した。
シリア内戦の勃発以来、イスラエルは紛争に苦しむシリアに対して頻繁に空爆を行ってきた。そのほとんどがシリア政府軍や同盟国イランに支援された武装勢力、ヒズボラの戦闘員らを標的としている。
人権監視団の数字によれば、今年に入ってからイスラエルは約30回シリアを攻撃し、民間人5人と政府派兵士125人の130人を殺害している。