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国連安全保障理事会新議長、イスラエルとパレスチナに再び焦点を当てることを求める

ユール氏は、1993年にイスラエルのイツハク・ラビン首相とパレスチナ解放機構のヤーセル・アラファト議長が参加したオスロ合意における和平交渉で重要な役割を果たした。(AFP/ファイル)
ユール氏は、1993年にイスラエルのイツハク・ラビン首相とパレスチナ解放機構のヤーセル・アラファト議長が参加したオスロ合意における和平交渉で重要な役割を果たした。(AFP/ファイル)
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05 Jan 2022 11:01:21 GMT9
05 Jan 2022 11:01:21 GMT9
  • ノルウェーのモナ・ユール特使は、紛争における一方的な行動を非難、イスラエルの入植活動に言及しつつ、「両者の協力が不可欠」と付け加えた
  • ノルウェーは、安全保障理事会メンバーを「ミニオスロ」フォーラムに招待し、世界の平和と安全に取り組むための最善の方法を議論する予定

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:1月19日、ノルウェーは国連安全保障理事会におけるイスラエル・パレスチナ紛争に関する議論を閣僚級にまで高め、数十年に及ぶこの紛争に焦点を当てる必要性を強調する予定だ。

オスロのモナ・ユール国連常駐代表は、中東で起きている複数の紛争のために、この問題への国際的な関心が薄れていることに懸念を示し、こう宣言した。

「イスラエルとパレスチナの人々は、このような扱いを受け入れるべきではありません」と、1月に国連安全保障理事会議長国に就任した自国の優先事項についての記者会見で彼女は述べた。「マドリッド会議から30年、イスラエルとパレスチナの問題はもっと注目されるべきです」

「この長期化した紛争の政治的解決策を見出す必要性と、二国間解決の見通しを損なうような行動をこれ以上避けることを私たちは確認し、安全保障理事会の焦点を強化することが重要です」

ユール氏は、この紛争におけるいかなる一方的な行動にも反対することを強調し、特に占領地におけるイスラエルの入植地拡大に言及しつつ、「両者の協力が不可欠です」と付け加えた。

「私たちは、パレスチナ自治政府が足並みをそろえ、和平を実現するための権限を持ってテーブルに着くことができる環境を整えなければなりません」

ユール氏は、1993年にイスラエルのイツハク・ラビン首相とパレスチナ解放機構(PLO)のヤーセル・アラファト議長が参加したオスロ合意における和平交渉で重要な役割を果たした。ノルウェー外務省に勤務していた彼女は、イスラエルとパレスチナの指導者を仲介して会談を行えば、相互理解が得られるのではないかというアイデアを思いついたのだ。

昨年5月に公開されたHBO制作の映画(放送・配信)『OSLO/オスロ』では、女優のルース・ウィルソンがこのノルウェー人特使を演じている。

「オスロ合意を成立させた最大の要因は、チュニスにあるPLO、そして第1次インティファーダの抗議活動で投石するパレスチナ人と戦っていた政府などの現状と情勢を考慮して尚、テーブルにつき、本格的な和平合意に向け、少なくとも段階的なプロセスを開始したほうがよいと判断した、双方の勇気あるリーダーがいたことです」と彼女は語る。

このような漸進的なプロセスは実行されることはなかった。しかし「イスラエルがPLOを承認し、パレスチナの一部にパレスチナ自治政府が設立され、実際に今も機能していることをはじめ、多くのことが行われました」と同氏は付け加えた。

「これらのことは、もちろんリーダー次第です。妥協するための政治的な意志と、それを実行するための力が必要です。また、二国間の問題解決は妥協による解決であり、双方に、妥協を実行するリーダーがいる必要があります。現在はそのような状況ではありませんが、だからといってあきらめるべきではありません。時間は限られていますが、遅すぎるということはありません」

安全保障理事会は今月、非常任理事国としてUAE、ガボン、ガーナ、アルバニア、ブラジルの5カ国を選出した。任期は2年間となる。

ノルウェーは、安全保障理事会のメンバーをオスロに招待し、非公開で「予防外交と紛争解決のための最善策」を議論する、「ミニオスロ会議」とも言えるフォーラムを開催する予定だとユール氏は述べた。

彼女は、国際的な平和と安全の維持を目的とした国連機関の今月の議長として、現在の状況が暗いことを認めつつも、「楽観的でなければなりません。そして、私たちは安全保障理事会のメンバーとしてだけでなく、国としても、暴力や軍事的な手段ではなく、対話によって紛争を解決できることを信じ、努力することを決してあきらめません」と述べた。

「対話を深め、人々をテーブルに導くことはまだ可能であることを示す例はあります。しかし、それには多くの費用と資源が必要であり、さらには安全保障理事会での結束が必要となるのは明らかです」

「多くの問題で私たちは結束していますが、そうとはいえない問題もまた存在します」

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