アラブニュース
ジェッダ/ドバイ:イラン当局は日曜日、同国西部のいくつかの地域で発生した大規模な爆発音は雷雨が原因だと主張し、広く冷笑を買った。
内務省職員のマジッド・ミラフマディ氏は「関連する治安・軍事機関と連携した結果、音は雷と稲妻によるもので、特別な事件は発生しなかったと判断された」と主張した。
しかし、西部の町アサダーバードの知事は、イランのいくつかの市や町で聞かれた大音響の発生源について、雷雨の可能性を否定した。
アサダーバードの町で起きた爆発音は、住民にパニックを引き起こした。ニュースサイトのロクナはテレグラムチャンネルで、「場所によっては激しい音により家のドアや窓が揺れ、人々が家を離れるほどだった」と伝えた。
ここ数カ月で同様の爆発が数回あった後には、当局は、イランの核開発計画をめぐるイスラエルや米国との緊張が高まる中、イラン軍が予告なしの防空訓練を行っていると発表した。
過去2年間、イランの軍事、核、工業用地では謎の爆発や火災が多数発生している。
ナタンツのウラン濃縮施設での2回の爆発は、明らかに破壊工作の結果であった。
このほかにも、ミサイル発射場、石油化学工場、発電所、診療所などで爆発が起きている。イラン政府のこれまでの説明では、安全対策の不備、人為的ミス、そしてあるケースでは地震が原因であったとされている。
しかし、イランはイラン政府の核開発計画に関連した両国間の「影の戦争」の一環としてなされるイスラエルによる破壊工作の標的であると見るアナリストが多い。
最近では、2021年末にシリアのラタキア港に停泊中のイラン船で大爆発が起き、湾岸のハールク島にあるイランの石油化学工場で火災が発生、テヘラン西部のイスラム革命防衛隊の研究センターで火災が発生して3人が負傷し、サイバー攻撃でイラン全土のガスステーションが機能不全に陥っている。
イスラエルは以前から、アメリカとイランとの間接協議で、2018年にドナルド・トランプ米大統領(当時)が中断し、イランに対する制裁を再強化した2015年の核協定の救済に失敗すれば、イランに対して軍事行動を起こすと脅してきている。
(ロイターとの共同取材)