カイロ:エジプト大統領は火曜日、最低月額賃金を約172ドルに引き上げ、近年の苦しい緊縮政策によって痛手を受けたエジプト人の負担を軽減することを意図した動きとなった。
アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は声明で、同国の最低月額賃金を現在の2,400エジプトポンド(152.5ドル)から12.5%増の2,700エジプトポンド(171.5ドル)にすると発表した。
また、公務員の給与を約13%引き上げた。エルシーシ大統領が2014年に就任して以来、最低賃金の引き上げはこれで3度目となる。今回の発表は、大統領が火曜日に首相や財務相などの財務関係者と会談し、次期予算について協議した後に行われた。また、学校教師へのボーナスも発表された。
声明では、引き上げがいつ適用となるかは明言されていないが、7月の新年度開始とともに適用となる見通しだ。
この緊縮財政は、長年独裁を続けてきたホスニー・ムバーラク氏を倒した2011年の蜂起以来、長年にわたる政治的混乱と暴力に苦しめられたエジプト経済を復活させるための野心的な経済改革計画の一部であった。
この改革は、120億ドルの融資(エジプト政府が2016年に確保)と引き換えに、国際通貨基金と合意を結んだものである。
その施策には、通貨の変動、生活必需品に対する国の補助金の大幅な削減、幅広い新税の導入が含まれていた。そうした施策は物価とサービスの大幅な上昇を引き起こし、批評家は貧困層と中産階級が最も痛手を被ったと述べている。
公式統計によると、エジプトの1億人以上の人口のうち、29.7%が貧困状態で生活している。
エルシーシ大統領は、エジプトの国民、特に女性たちが厳しい措置に耐えていることに繰り返し感謝の意を表している。
AP