
エルサレム/ガザ:ガザ地区のキリスト教徒は今年クリスマスを祝うためにベツレヘムやエルサレムなどの聖なる都市を訪問することは許されないと、イスラエル当局が木曜発表した。
ガザのキリスト教徒は海外旅行の許可は与えられるが、イスラエルおよびキリスト教徒にとっての多くの聖地がある占領下の西岸地区に行くことは許可されないと、イスラエルのパレスチナ軍事連絡担当スポークスウーマンは述べた。
イスラエルは、ハマスが支配するガザ地区からの移動を厳しく制限している。
スポークスウーマンは、「治安命令」に従って、ガザ人はヨルダンとの国境であるアレンビー橋を経由した海外旅行は許可されるが、イスラエルおよび西岸の都市を訪問することは許されないと述べた。ガザにはその狭い沿岸帯に擁する人口200万人のうちキリスト教徒は1,000人しかおらず、そのほとんどはギリシャ正教徒だ。
今年の決定は例年の方針とは異なるものだ。イスラエルは昨年、ガザ在住キリスト教徒約700人近くに、毎年ホリデーシーズンに何千人もの巡礼者が集まるエルサレム、ベツレヘム、ナザレ他の聖なる都市への旅行の許可を与えた。
イスラエルの権利団体ギシャは、この禁止は「パレスチナ領地の2つの部分の間のアクセス制限の強化を示している」と述べ、西岸地区およびガザに対する「イスラエルの分離政策の深化」であるとした。
パレスチナ人は、1967年の中東戦争でイスラエルに占領された西岸地区とガザに国家設立を目指している。
イスラエルは過去に、短期滞在許可が与えられたガザからのパレスチナ人の多くが不法に滞在を延長しているとして、西岸地区へ旅するガザ人に対する制限を正当化してきた。
ガザではあるキリスト教徒の女性が、西岸都市ラマッラーにいる家族を訪問できるよう、イスラエルがその政策を逆転させることを望むと声を上げた。
「毎年、クリスマスを祝い、家族に会うことができるように許可を与えてくれるよう祈ります」と、ランダ・エル・アマシュさん(50)は語る。「ベツレヘムとエルサレムで祝った方が楽しいでしょう」と付け加えた。
エルサレムのキリスト教指導者はこの動きを非難したが、イスラエル当局に決定を取り消すよう訴えていることを付け加えた。
「世界中の他の人々はベツレヘムに旅行することが許されています。ガザのキリスト教徒もその権利を持ってしかるべきだと思います」と地元の教会指導者への助言者、ワディ・アブ・ナサールは述べた。
ロイター