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ユダヤ人教師解雇取り消し訴訟、イスラエル国家への批判と反ユダヤ主義の違いが焦点に

サンダー氏のようにイスラエル政府の政策を批判するユダヤ教徒の人々が、その見解に対して罰を受けるべきではない、と、ロバート・ハーブスト弁護士は語った。(AFP/File)
サンダー氏のようにイスラエル政府の政策を批判するユダヤ教徒の人々が、その見解に対して罰を受けるべきではない、と、ロバート・ハーブスト弁護士は語った。(AFP/File)
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05 Feb 2022 05:02:11 GMT9
05 Feb 2022 05:02:11 GMT9
  • 26歳のジェシー・サンダー氏は、イスラエル政府を批判したブログ記事のためにユダヤ教寺院での教職を解雇され、訴訟を起こしている
  • ロバート・ハーブスト弁護士は「イスラエル政府とイスラエルが国家として行っている行動への批判とイスラエルとユダヤ人への憎悪は慎重に区別しなくてはいけない」と語る

レイ・ハナニア

シカゴ: イスラエルを批判したことを理由にニューヨークのシナゴーグでの教職を解雇された26歳のユダヤ人女性の弁護士団はアラブニュースに対し、今回の解雇取り消しを求める訴訟は、イスラエル国家の行動に対する批判と反ユダヤ主義の重要な違いに光を当てていると語った。

ジェシー・サンダー氏は昨年、ニューヨークのスカーズデールにあるウェストチェスター改革寺院に教師として雇われたが、6月21日に個人ブログの記事でイスラエル政府を批判したことを理由に解雇された。

1月25日、サンダー氏は訴訟を起こし、寺院の指導者たちが彼女を解雇したのはニューヨーク州の労働法に違反していると主張した。この法は「雇用者は、従業員が報酬を受け取らず、雇用者の敷地外で、雇用者の財産とは関係なく行った合法的な娯楽活動を理由に、従業員を解雇することを禁止している」と、Herbst Law法律事務所のロバート・ハーブスト弁護士は語る。同様の法律が存在する州は少ないという。

「私たちは伝統的なユダヤ教団体や寺院、学校に、ユダヤ教の教育機関で宗教的、道徳的原則を学んだ若者を破門はできないと伝えようとしている。ユダヤ人国家の一人として、イスラエルによるパレスチナ人の扱いが間違っていると考え、そこにユダヤ教の教えを誠実に実践したいと望む若者を破門することできない」と、ハーブスト弁護士はアラブニュースに語った。

「もし、それでもそうするというなら、代償が生じるし、我々はそれを求めるだろう。そう伝えようとしている」

多くの、本当にただ善意の人々が、ユダヤ教徒として教えられた原則や道徳的、宗教的教義を守ろうとしたために解雇されたり、ボイコットされたり、攻撃されたりしている。とても残念なことだ」

アラブニュースへの文書で、サンダー氏はこう書いている。「私がこの訴訟を起こしているのは、ユダヤ教がすべてのユダヤ人にひらかれた多元的な場として栄え続けてほしいと深く望んでいるからです」

「シオニズムに立ち向かい、話しづらいことについて対話し続けることが重要だ。たとえ、居心地が悪い気持ちになるとしても」

サンダー氏はブログに次のように書いている。「私たちは、シオニズムがユダヤ教の価値観の一部であるという考え方を認めない。シオニズムはユダヤ人アイデンティティと同義でもなく、必要な構成要素でもない。シオニズムとユダヤ教を混同することは不正確であるばかりでなく、危険でもある。植民地主義と宗教の違いを理解しなければ、ユダヤ教の本質について非常に反ユダヤ的な筋書きを広めてしまう危険性がある。(…)アメリカのユダヤ人として、私たちはパレスチナ人虐殺への資金提供の中止を求める。(…)アメリカのユダヤ人はユダヤ教の名のもとに行われる大量虐殺やユダヤ人支援を装った国家主導の殺人に反対の声を上げなくてはならない」

サンダー氏は、寺院のユダヤ教学習室の教師として復職することを要求している。ハーブスト弁護士によれば、この訴訟はニューヨーク州の労働法が原告によって使われる初めてのケースだという。

「私たちのメッセージが伝わることを願っている」と、ハーブスト弁護士。

より大きな文脈で見れば、この訴訟は正当な政治批判と反ユダヤ的な発言との重要な違いを浮き彫りにしているという。

「この区別こそが、私たち現場で活動している人間が、これまでの反ユダヤ主義についての提言において明確にしようとしている点だ」と、ハーブスト弁護士は語る。

「第一定義を擁立するユダヤ教団体はイスラエルに対する批判はすべて反ユダヤ主義であると主張する。反ユダヤ主義に反対するエルサレム宣言第二級の声明を支持する私たちは、いや、違う、イスラエル政府とイスラエルが国家として行っている行動への批判とイスラエルとユダヤ人への憎悪は慎重に区別しなくてはいけない、と、言いたいのだ」

サンダー氏のようにイスラエル政府の政策を批判するユダヤ教徒の人々が、その見解に対して罰を受けるべきではないとハーブスト弁護士は付け足した。

「非ユダヤ教的な政策なのだ」と、ハーブスト弁護士は言った。「そこが重要だ。それこそが驚くべきことなのだ。イスラエルが国家としてユダヤ教の教えに従っていないということこそが。それを指摘するユダヤ教徒は破門には値しない。コミュニティの大切な一部なのだ」

また、弁護士は、80人のラビがサンダー氏を擁護する文書に署名したこと、彼女の上司で、副指導者(ラビ)でJLLのディレクターを務めるデヴィッド・E・レヴィ―氏が昨年7月15日のサンダー氏との面談で彼女の意見の多くに支持を表明していたことを付け加えた。だが、その一週間後、寺院の常務理事であるエリ・コーンライク氏を含むズーム会議中にサンダー氏は解雇された。

ハーブスト弁護士によると、この訴訟の裁判の日程はまだ決まっていないという。ウェストチェスター改革寺院の代表者から問い合わせへの返答はなかった。

今週、1977年にノーベル平和賞を受賞した人権団体アムネスティ・インターナショナルが、イスラエル政府がパレスチナ人を標的にしたアパルトヘイトを強行しているとして非難した。これに対し、イスラエル指導者と親イスラエル機関の多くは、この批判は 「反ユダヤ主義的である」として糾弾した。

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