Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • リビア、選挙が再度延期に。終わらない移行期間に国民の怒りが募る。

リビア、選挙が再度延期に。終わらない移行期間に国民の怒りが募る。

政治的な横断幕やリビアの旗を掲げるデモ参加者たち。リビア、トリポリの殉教者広場で。(ロイター/File)
政治的な横断幕やリビアの旗を掲げるデモ参加者たち。リビア、トリポリの殉教者広場で。(ロイター/File)
Short Url:
09 Feb 2022 08:02:04 GMT9
09 Feb 2022 08:02:04 GMT9
  • 「リビアの移行期間は続く。私たち国民はいいように操られているだけだ」

トリポリ: リビアの政治機関が再び移行期間を延長し選挙を遅らせる計画を進める中、リビアの国全体で人々は疲れと不信、怒りに包まれている。

リビアでは12月に大統領選挙と議会選挙が行われる予定だったが、派閥間、国家機関間で実施方法をめぐっての議論が起こり、投票日の数日前に計画は崩壊した。

国会では今週、新たな「指針」を承認することを投票により決定した。指針では、新たな暫定政府を選び、別の機関である最高国務院と協力して暫定憲法の草稿を練り直し、選挙は来年まで延期するとしている。

「残念だが、1年後にも選挙はないだろう。リビアの移行期間は続く。私たち国民はいいように操られているだけだ」と、リビア東部のベンガジに住むサアド・ムハンマド氏(35歳)は言う。

12月の選挙では300万人近くが有権者登録をしていた。自分たちの指導者を選びたいという国民の願いがはっきりと表れていると分析されている。

「何度、選挙を延期するんだ?何年も同じことが続いて、選挙の延期が続いている。延期、延期、延期、そればかりだ」と、トリポリの道で取材を受けたモハメド・ガルヤニ氏は語った。国の反対側のベンガジでも、カレド・アリ氏(46歳)が、政治家たちはできる限り長いこと権力を握ろうとしているだけだと同意した。「一年半は選挙はないだろう」と、彼は言う。

2011年にNATO主導で起きたムアンマル・カダフィ大佐に対する蜂起から11年、混乱と暴力、分断が続いてきたリビアでは、暫定であったはずの一連の政務機関が何年居座ったままとなっている。

12月の選挙は、この「権威の危機」と呼ばれるようになった状況を解決するためのもので、リビアのすべての政務機関を有権者が最近選んだ機関と入れ替えることを目的としていた。

「国会と最高国務院の決定は、すべて移行を遅らせ、政権を維持するためのものだ」と、トリポリの市場で取材された教師のアスマ・フィトゥリ氏は話す。

最高国務院は2012年に選出された暫定国会のメンバーで形成されたが、2年後に新たなメンバーを採択する選挙を認めることを拒否した。内戦を定めた2015年の政治合意では、最高国務院は協議権を持つ公的機関として認められている。

現在の国会、もしくは衆議院は、2014年に選出された。任期は定められていなかったが、同年に選出された別の機関が作成する新憲法に移行するまでの短期間の監督を行うとされていた。だが、移行が完了することはなかった。

一方、リビアの最新政権である国家統一政府(GNU)は、昨年、国連主導の指針の一環として、選挙の準備段階を監督することを必須条件にして発足した。

政府の指導者はリビア政治対話フォーラム(LPDF)に参加した75人のメンバーによって選ばれた。対話フォーラムのメンバーも国連により主要な派閥と地域グループを代表するものとして選ばれた。LPDFの指針では、GNUの任務は2021年12月24日の選挙までとされているが、選挙が実施されなかった場合に何が起こるかは述べられていない。

ロイター

topics
特に人気
オススメ

return to top