アラブニュース・ジャパン
アラブ首長国連邦では、見物人らが空に現れた二つの月を目撃して驚愕した。これは、長く待ちのぞまれていたアラブ首長国連邦の軌道衛星アマルが火星に到着したことを祝うため、政府メディアが開催したイベントだ。アマルは2月9日に火星到着を予定していた。
夜空がくっきりと見えるよう都市部と離れた場所が必要だった。ドバイのアル・クドラ地区の砂漠地形は最適で、二つの月がはっきりと見えた。つまり、二つの火星の月だ。
ソーシャルメディア上では動画が拡散しており、車を運転していてこの二つの月を遠くから目撃し、驚いた人々が撮影した動画の数々を見ることができる。
動画をみると、事の次第が明らかにされている。「二つの月が観測された裏にはどんな真実があるのでしょうか?火星には二つの月があり、それがフォボスとダイモスです。そしてアラブ人は2021年2月9日にそこへ到着します。私たちは皆さんにこの赤い惑星での生活がどんなものか見て欲しかったのです」。
設置されたスクリーンとクレーンの映像も動画に含まれており、このキャンペーンがどのように計画・実行されたかがより詳細に分かるようになっている。
https://twitter.com/DXBMediaOffice/status/1359039404095008768
政府メディアはガルフニュースへのコメントで「このアイデアは、ホーププローブが8億5百万km離れた先で何を捉えているのか、皆さんにお見せする方法を生み出すためのものでした」と述べた。
つの月はリアルに見えるが、100mのクレーン2台と40mのスクリーンを使ってフォボスとダイモスの幻影を作り出すという、新しい技術の産物だった。フォボスとダイモスは二つの月につけられた名前だ。
火星には1877年に発見された二つの月があり、ギリシャ神アレスの馬から名づけられた。NASAによると、どちらも小惑星に似た表面がある。
これらの月はアメリカの天文学者アサフ・ホールが発見したもので、ホールの天文学者としての業績と名声はこの発見によるところが大きい。
このメディアによるサプライズは、歴史的イベントを大いに盛り上げようというアラブ首長国連邦の努力の一環だった。