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イラン、監視カメラでベールなしの女性を検知

2023年4月9日、テヘラン市内を歩くイラン女性(ロイター通信)
2023年4月9日、テヘラン市内を歩くイラン女性(ロイター通信)
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03 May 2023 06:05:49 GMT9
03 May 2023 06:05:49 GMT9

ドバイ:昨年の政治的な大混乱の再発を恐れたイラン政府上層部は、新たな目立ちにくい戦術を使って、義務であるヒジャブ着用を拒む女性を罰するようになっている。

この戦術はイラン全土で昨年起きた反政府デモを受けて導入された。昨年の数カ月にわたる混乱を招いた道徳警察の取り締まりに代えて、監視カメラの使用と、違反者に対する国家サービスの停止を組み合わせて実施する。

これらの戦術は今のところヒジャブ反対派に広く適用されるには至っていないものの、もし企業や商店の閉鎖を招くことになれば、経済への逆風になる可能性もあるとイランの活動家らは言う。

「ベールを取って町を歩くことは今や、私にとって革命を生かし続ける手段になっている」と、イラン北部の都市ラシュトの家庭教師、ロヤさん(31)は言う。ロヤさんは昨年11月のデモで逮捕され、3カ月間拘留された。

「私たちは政権の脅しを恐れてはいない。私たちは自由を求めている……この道は聖職者たちからこの国を取り戻すまで続くだろう」と、イラン西部の都市ケルマンシャーの女子高生、マリヤムさんは語った。

何十年もにわたって、ヒジャブ着用を拒む女性たちは人出の多い公共の場所をバンで巡回している道徳警察により摘発されていた。バンには男性と女性の係官が乗り、「反イスラム的服装や行動」を見張っていたものだ。

だが都市を巡回していた道徳警察のバンはほとんど姿を消したと住民たちは言う。きっかけはイスラム聖職者による支配への抗議運動が、1979年のイスラム革命以降では最も激しくその正統性を揺るがす危機に発展したことだ。

イラン当局はまた、道徳警察のパトロール隊が取り締まり作戦の先頭に立つことは今後ないだろうと述べている。

バンに代わって当局は、ヒジャブを着用していない女性を見つけ出すために街路に監視カメラを設置した。これにより、イランの保守的な服装ルールの違反をこれまでより人目に立たない形で見つけ出すことができるようになった。

もう1つの新たな戦術は、民間・公共部門を問わず「違反者」へのサービスの提供を禁じる政令だ。提供すれば重い罰金や収監が待つとの警告も出されている。

22歳のクルド系イラン人女性がヒジャブ着用義務に違反したとして逮捕された後、死亡した事件を受けて起きた抗議運動の後、ヒジャブを着用しないことで当局への反抗の意志を公然と示す女性の数は増えている。

治安部隊は反政府運動に激しい弾圧を加え、デモは2月にほぼ収束した。

ロイター

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