


・北部にある政党事務所が放火された
・ハリリは「戦車に乗っていても首相にはなれない」
Najia Houssari
ベイルート:数前夜、10時間に及んだベイルートでの戦闘に関する調査が始まった一方、数千人ものレバノン人抗議者が日曜、再び街頭で抗議デモを行った。
2カ月前に発生した、政府の汚職と怠慢を不満とする全国規模のデモの抗議者に対する、これまでで最も激しい取り締まりでは、少なくとも130人のけが人が出た。
戦場と化したベイルートの中心部で、治安部隊は夜通し催涙弾を発射し、高圧放水砲を使用。夜が明けると、道は石だらけ、店の窓は割られ、木が根こそぎ引き抜かれて横たわっていた。
目撃者によると、民間人の服をまといマスクをつけた男たちが治安部隊に交じり、デモ隊を襲撃していたという。「正当なデモを悪用し、デモ隊と治安部隊の間に衝突を起こそうとする者がいます」とラヤ・エル・ハッサン内務大臣は指摘する。
また大臣は、この暴力を「懸念、悲しみそして驚き」をもって見ているという。
「国防軍の幹部に対して、責任者を特定するための迅速かつ透明な調査を行うよう求めました」と大臣は話す。
土曜日の夜の衝突は「潜入者が起こしたのではなく、警備の連携が足りなかった治安部隊による過度の暴力でした」とアラブニュースに話すのは、社会研究者のニザール・ハッサン氏だ。
「催涙弾の標的にされた者たちが、それに対して投石するのは当然です」と彼は言う。
アムネスティ・インターナショナルのディアラ・ハイダル氏は「圧倒的に平和なデモ行動」に対する「行き過ぎた武力行使」を非難した。
彼女は、「抗議者の集会を妨害することが目的だったのは明らかです」としたうえで、民間人を装いマスクを着けた男たちが、治安部隊とともに「暴力的にデモ隊を攻撃」したと話す。
日曜の未明まで続いた衝突で、デモ隊は10月29日に辞任を表明したサアド・ハリリ首相とナビーフ・ビッリー国民議会議長に対するスローガンを唱えた。
ハリリの後任についてはここ数週間で様々な候補者の名前が挙がっているが、多宗派国家の有力政党は新たな首相について合意に至ってない。
日曜日にベイルートのデモが再開し、政党事務所は放火された。レバノン北部のKharibet Al-Jindiの町にある未来運動の事務所の窓を割って放火し、そのライバルである自由愛国運動のJedidat Al-Juma事務所も同じくガラスが割られ、燃やされた。
この新たな衝突が起こったのは、新首相の指名と政権樹立の国会審議が予定されていた月曜日の前夜だ。10月の辞任以来暫定首相となっているサアド・ハリリ氏が首相の最有力候補だ。
大統領府広報局長のラフィク・シャララ氏はアラブニュースに対し、「義務である国会審議は予定通り行われます。月曜日の10時半に開始されることになっていて、大統領の任命を受ける国会議員の候補者リストでは、ハリリ首相が最も有力です」と話す。
自由愛国運動は政権樹立には参加しない旨を表明している。ヒズボラおよびアマルはハリリの首相指名を支持しているが、研究者のハッサン氏は、抗議者がそれを受諾する可能性は低いとみている。
彼は、「庶民のニーズに応えられない政府は認められないでしょう」と話す。
「私たちが求めているのは、独立してこの状況を救える政府です。人々はこれまで首相に指名されてきた候補者を倒してきており、今回も自分たちの力を見せつけると予想されます。ハリリは戦車に入って現れたとしても、人々に倒されるでしょう。」
先週の日曜、イスラム教スンニ派組織がハリリの復活に支持を表明したことも、抗議者の怒りをさらに煽った。
国会審議は月曜の午前10時半に開始する予定だ(GMT08:30)。
国連はレバノンのコーディネーターのヤン・クビシュと協議の重要性を強調し、政治家に「責任ある行動」をとるよう求めた。
「明日が正念場だ。この複雑な危機における重大なときに、政治家が#レバノンとその国民の要望に対して政治家が理解を示し、平和的に前進する道を切り開くか、それとも古い習慣や態度の捕虜で居続けるか」とクビシュしはツイートしている。
日曜のベイルートでのデモは始め、抗議者がレバノン国旗を振りかざし、「ハリリは戻らない」と唱える平和的なものだった。
「変革には時間と忍耐が必要で、私たちはこの政権を排除するという目標を達成するまでやめません」と23歳の抗議者カーラさんは話す。
また、「(公式の)汚職のパートナーであるハリリはいりません」と言う。
薬剤師であるノウールさんは、「ハリリの首相再任には反対です。なぜほかの候補者が見つけられないのか理解できません」と話す。
そして「能力があり、独立している人はたくさんいます」と付け加えた。
国防軍総督のイマド・オスマン准将は日曜日、抗議者らに対して平和的行動を維持し、治安部隊の任務を妨害しないよう呼びかけた。
政権樹立のプロセスは、負債が膨らんだレバノン経済が崩壊に向かう中で進められる。
レバノンはドル不足の危機に直面しており、1997年に1,507ポンドで正式に固定されて以来初めて、並行市場での売値が2,000ポンドを上回った米国ドルの引き出しや送金を儀kン港が制限している。
国際社会は内閣を迅速に確立し、国際援助を解除するため主要な経済改革を実施するよう求めている。
ジャン=イヴ・ル・ドリアン仏外務相は日曜、レバノンのリーダーらに対し、国を麻痺状態に陥らせている危機を「劇的な状況」であると警告し、打開策を推し進めるよう強く求めた。