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イエメン沖に放置された石油タンカー:災害が発生する可能性

Maxar Technologies社提供の衛星画像。2020年6月17日、イエメンのラスイッサ港沖に係留されたFSOタンカー「セーファー号」が写っている。(AP)
Maxar Technologies社提供の衛星画像。2020年6月17日、イエメンのラスイッサ港沖に係留されたFSOタンカー「セーファー号」が写っている。(AP)
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17 Feb 2022 02:02:39 GMT9
17 Feb 2022 02:02:39 GMT9
  • 45年前に造船されたタンカーが、2015年からイエメン西部のホデイダ港沖(紅海)に係留されている
  • グリーンピースは「いつ爆発してもおかしくない」と警告

ドバイ:戦争で荒廃したイエメンの沖合に、錆びついた石油タンカーがもう何年も係留されたままになっている。放置されたこのタンカーは、生態学的・人道的に大惨事となる分裂や爆発を起こす恐れがある。

国連の火曜の発表によると、FSO(貯蔵・積出専用の浮体式設備)タンカーのセーファー号から揮発性の貨物を汲み上げ、別の船に移すことについて、フーシ派武装勢力との間に「原則合意」が得られた。

45年前に造船されたこのタンカーは、長年にわたり浮遊式石油貯蔵プラットフォームとして使用されていたが、2015年以降は整備もされず、イエメン西部のホデイダ港沖(紅海)に係留されたままだ。

110万バレルの原油が積まれたまま、最も近い居住区から約60キロの場所に係留されているのだ。

老朽化した船体は腐食が進んでいる上、貯蔵タンク内の爆発性ガスを減らすのに不可欠な作業も、もう何年も実施されていない。

グリーンピースは、「いつ爆発してもおかしくない」と警告している。

専門家によると、直近では2021年5月に冷却パイプの漏水が発生し、修理されたという。

国連の発表によると、油が流出すれば生態系が破壊され、漁業が中断し、イエメンの生命線であるホデイダ港が6カ月閉鎖される恐れがある。

また、独立機関の調査によると、840万人以上のイエメン人が深刻な汚染にさらされる可能性がある。

海上交通や沿岸諸国(ジブチ、エリトリア、サウジアラビアなど)も影響を受ける可能性があるということだ。

イエメンの人口の約8割は、国際的に承認された政府と、イランが支援するフーシ派民兵との内戦のせいで、生きるために何らかの援助を必要としている。しかし、内線が沈静化する兆しは一向に見られない。

劣化した船は、何年も点検されないまま放置されている。国連は船へのアクセスを何度も要求したが、ホデイダ港を含むイエメン北部の大部分を支配しているフーシ派がこれを拒否し続けていた。

民兵は「セーファー号の石油代は自分たちの給与支払いにあててほしい」と述べていた。

しかしイエメン政府は、代金は保健や人道的プロジェクトに使用すべきだと発表していた。

2020年11月、フーシ派は「燃料タンカーの評価作業を許可した」と発表した。

国連は当初、評価作業を2021年初頭に計画していたが、この作業は何度も延期されてきた。

国連は昨年、フーシ派に対し、「包括的かつ公平な評価と初期修理作業を実施するため、国連の専門家が無条件かつ安全にアクセスできることを要求する」と強く主張した。

国連の火曜の発表によると、有毒貨物をタンカーから別の船に移すことで「原則合意」は得られたものの、詳細や日程は明らかにされていない。

国連のマーティン・グリフィス人道問題担当次官は、「セーファー号の問題解決の取り組みに最近進展が見られた。国連の調整による『石油を別の船に移す』という提案が原則合意に至ったことを報告できて嬉しく思う」と述べた。

AP

 

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