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イスラエルの労働規制緩和を受け、ガザでヘブライ語レッスンの需要が急増

2022年2月23日、イスラエル国内での仕事に向かうため、ガザ地区北部のベイトハヌンを出発しエレス越境地点を通過するパレスチナ人労働者。(AFP)
2022年2月23日、イスラエル国内での仕事に向かうため、ガザ地区北部のベイトハヌンを出発しエレス越境地点を通過するパレスチナ人労働者。(AFP)
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24 Feb 2022 03:02:54 GMT9
24 Feb 2022 03:02:54 GMT9

ガザ:ガザの明るく照らされた教室で、教師がホワイトボードにヘブライ語の単語を書き出す。イスラエルでの雇用機会の開放を利用したいと願うマヘル・アル・ファラ氏や他の数十人のパレスチナ人が、注意深くそれに倣う。

ナファ・ランゲージ・センターでのレッスンに対する需要の高まりは、5月に起きたガザ地区を支配するハマスとの11日間の戦争後、イスラエルが国境の緊張を静めるために新たに労働許可証を提供したことを受けたものだ。

イスラエルは現在、ガザの住民が国境を越えイスラエルで働くことを許可する1万件の許可証を提供しており、人口の64パーセントが貧困にあえぎ、失業率が50パーセントに上るとみられるこの地域の新たな収入源となっている。

センターのオーナーであるアフマド・アルファリート氏は、イスラエルが2021年の最後の四半期に労働許可を発行し始めて以来、ヘブライ語を学ぼうと入会した人の数は4倍に増え、1コースあたり160人に達したと話す。

「これらのコースを受ければ、許可証を取得した人はみな、標識やヘブライ語で書かれた書類を読んだり、イスラエルの検問所で兵士とコミュニケーションを取ったりできるようになります。雇用主がヘブライ語しか話せない場合でも、労働者が雇用主に対処できるようになります」と述べた。

狭い沿岸部であるガザに住む約230万人の人々は、国外に仕事を求めて出て行くことがほとんどできず、2008年以来ハマスや他の武装集団と4回戦ってきたイスラエルによる15年間にわたる規制に押さえつけられている。また、ガザはエジプトとも国境を接しており、エジプトは独自の通行規制を課している。

2000年にパレスチナの蜂起が起こる前、約13万人のガザの人々がイスラエルで働いていた。パレスチナ人によると、イスラエルは2005年、ガザから軍と入植者を引き上げた後、労働者を締め出したという。労働許可証の数を慎重に増やしていけば、イスラエルとハマスの間で長く続く紛争が終わるとは誰も思っていない。両者はハマスが2007年にガザを掌握して以来、4回の戦争を戦ってきた。

しかし、ナファのクラスに登録している何十人もの労働者や商人には、この変化により、イスラエルで、ガザでの1週間分の賃金に相当する収入が得られる見込みがある。「今日ここに来たのは、ヘブライ語を学ぶことで、(イスラエル)国内の職場で物事を簡単に処理できるようになりたいからです」とファラ氏は語った。

イスラエルの連絡将校モシェ・テトロ大佐は、新しい仕事はガザの経済を向上させ、「平穏と治安の安定にも役立つだろう」と述べた。

ハマスの高官であるイッサム・ダーリス氏によると、イスラエルは最終的に3万件の労働許可を提供する見通しで、経済学者によれば、労働者は1日平均500シェケル(156ドル)を稼ぐことができるという。それはガザで働いて得られる収入の1週間分に相当する。

「毎週、私は2,000シェケル(625ドル)を持って満足して家族のもとへ帰ります。母と父にも渡しています」と、ガザ北部のジャバリヤに住むジャミール・アブダラ氏(31歳)は言う。

ガザの経済学者モハマッド・アブ・ジャイーブ氏は、許可証の提供は、5月の戦争後にエジプト、カタール、国連の交渉担当者が仲介した政治的解決の下で合意した一連の経済的措置の1つであると言及した。

ロイター

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