ロンドン:英国、フランス、ドイツは、合意に沿ってイランのミサイル開発に対する制裁を解除しなければ、包括的な共同行動計画の核合意が破綻する恐れがあると、イランのメフディ・ホセイニ・マティン駐ロンドン代理大使が述べた。
マティン氏は5日、国連安全保障理事会のイランに関する公開討論の前夜に、このような合意条件の違反は最近オマーンで行われたイランと米国の二国間会談の雰囲気に影響を与えると述べた。これは、拘束されている米国市民の釈放、核合意の側面の維持、および海外のイラン資産凍結解除を含む別個の小さな合意を取り付けるための会談である。
マティン氏は次のように述べた。「英国と欧州のパートナー国は戦略的に考える必要があり、制裁を解除しないのは大きな間違いだ。欧州は考え直す必要がある。ただ自分たちの首を絞めることになるだろう」
「包括的共同行動計画(JCPOA)の構造は維持されるべきであり、そうでなければ責任を問われることになる。現時点では対応しないが、発表された内容を確認して対応する」
米国のドナルド・トランプ前大統領は2018年、前任者のバラク・オバマ元大統領が交渉した核合意を離脱し、イランに核開発計画と地域での行動を抑制する新たな合意を強制するため、最大限の経済制裁を適用するつもりだと述べた。
トランプ氏の後継者であるジョー・バイデン大統領は、米国が合意に復帰する条件について交渉しようとしたが、国連の査察体制と特定の核施設で過去に行った活動に対するイランの説明に関する意見の相違を巡って、ウィーンでの協議は停滞した。
英国、フランス、ドイツは引き続きこの合意に署名しており、これまでイランが兵器級ウランを生産することを阻止してきた。
マティン氏は、英国と他の2つの欧州列強が2015年の合意条件に基づいて制裁解除する予定だった10月18日以降、イランのミサイル生産に関する制裁を維持する予定であるという報告に反応していた。欧州列強は、イランが合意のミサイル生産に関する条項に違反していると繰り返し主張している。
しかしマティン氏によると、2015年の合意は「イランに対し、核ミサイルが搭載できるよう設計された弾道ミサイルに関連するいかなる活動も行わないよう求めた」にすぎない。同氏は、その文言はイランに対する義務を表すものではないと述べた。
ロンドンに駐在するイランの最上級外交官であるマティン氏は、イランはそのような兵器を生産していないと述べ、同国がロシアに販売している無人航空機は兵器でもミサイルでもないため、核合意の対象外であると付け加えた。
英国のバーバラ・ウッドワード国連大使は今週、次のように述べた。「イランは、特にウクライナでの戦争のためにロシアへ無人航空機(UAV)を販売している点で、(核合意を明記した)国連決議2231号に著しく違反している」
「イランは核兵器製造に必要な高濃縮ウランの3倍の量を保有していると考えられる。その備蓄量が多く、ウラン濃縮能力が高いために多くの懸念を引き起こしている状況であり、それゆえに次の行動について合意するため、非常に懸命に取り組んでいる」
マティン氏は、イランがJCPOAで定められた制限を超えて濃縮ウランの量を増加させたこと自体は合意違反にはならないと主張した。JCPOA第37条が次のように述べているためだ。「制裁が全面的または部分的に復活した場合、イランはそれを合意に基づく約束の履行停止の根拠として扱う」
また、米国が2018年に合意から撤退した後にイランが取った措置はすべて、元に戻せるものだったと付け加えた。
France24のインタビューで、核合意の検証を担当する国連核査察団の代表は、核合意が非常に悪い状態にあることを認めた。
ラファエル・グロッシ氏は次のように述べた。「基本的に、合意は形骸化している。誰も無効だと宣言してはいないが、関連した外交活動はない」
「合意の代替案があるなら、それがどんな約束であっても、単なる紙切れではなく現実のものであることを検査し、検証するために我々が招かれることを願っている」