
ハルツーム:国連専門家はスーダン軍に対し、反クーデター派への実弾や催涙ガスの使用をやめるよう強く求めた。弾圧による死者は80人を超える。
アフリカ北東部のスーダンでは、10月25日のアブドゥルファッターフ・ブルハン司令官率いる軍による政権奪取以来、抗議活動が続いている。クーデターは国際的な非難を呼び起こし、同国への支援凍結が行われた。
長期政権を築いていたオマル・バシール元大統領が失脚した2019年以降、クーデターによる政権崩壊以前は、軍部と民主派が協定を結び、束の間の共同統治を行っていた。
国連の専門家、アダマ・ディエン氏は「実弾を国民に向けて発射することは、甚大な人権侵害である」と述べた。
氏は「当局(による)違法行為やデモ参加者への実弾の使用を憂慮している」と述べ、死者は82人、負傷者は2,000人に上るとした。
国連と米国は以前にも同様の呼びかけをおこなっており、米国は暴力の行使が続けばさらに「重大な結果を招く」ことになると警告した。日曜日にスーダン人男性1名が射殺され、新たな犠牲者となった。
セネガル特使は弾圧の実態を明らかにするため、この4日間スーダンを訪問し、指導者や外交官、市民団体のメンバーらと会談を行っている。
氏はハルツームで記者団に対し、「デモ参加者への暴力に関する、公正な第三者による専門的な調査が必要とされている」と語った。
ディエン氏はまた、反クーデター派に対する性的暴力や、今なお行われている襲撃、「一度も弁護士と面会できていない」約100人の抑留者の安否についても懸念を表明した。
同氏が発言している間にも、AFP通信の記者が、クーデターに抗議するデモ隊に対し治安部隊がさらに催涙ガスを噴射したと報じた。
スーダン当局は、命令に従わずカラシニコフ・ライフルをデモ隊に発砲した警察官や兵士ら数名を逮捕したと発表した。
AFP通信