
サイード・アル・バタティ
イエメン、アル・ムッカラー:イランの支援を受けるフーシ派は、政府軍との激しい戦闘や連合軍の戦闘機による激しい空爆で消耗した兵力を補強するために、イエメンに住むアフリカ系移民や難民を採用している。
イエメン軍関係者、人権活動家、ジャーナリストによると、過去2年間に主に中部マアリブ県で大きな損失を被ったフーシ派は、アフリカ系移民や難民の採用と徴兵を強化し、敵との激しい戦いが行われている戦場に彼らを送り込んでいるという。
フーシ派が難民や移民の採用に目をつけたのは、戦場に兵士を供給しろというフーシ派の要求に支配地域のイエメン人部族が抵抗したことも影響している。
匿名のイエメン軍関係者はアラブニュースの取材に対し、「マアリブの砂漠がフーシ派の戦闘員を飲み込んだ後、フーシ派はアフリカ系移民の採用を始めた」と述べ、フーシ派が移民に武器を持たせ、ジャウフ県、サアダ県、シャブワ県や、マアリブ県のアル・カサラ戦線の主要な戦場に配備したと続けた。
この軍関係者によると、2か月前、イエメン軍は北部ジャウフ県でフーシ派と一緒に戦っていたアフリカ系移民二十数人を殺害したという。
その他にもマアリブ県、サアダ県、最近では南部シャブワ県で多くのアフリカ系移民が死亡したり、捕らえられたりしている。
マアリブ県では、イエメン北部に残された政府の最後の拠点都市で、エネルギー資源の豊富なマアリブ市を奪取するためにフーシ派が攻勢を開始した昨年初めから、政府軍との間の激しい戦闘で数千人のフーシ派が死亡している。
多くの犠牲者が出ている兵力を補うために、フーシ派は移民や難民、子ども、公務員を採用し、イラク、レバノン、アフガニスタン、イランから来た戦闘員の配備も行った。
この軍関係者は、「フーシ派はアフリカ系移民に加え、南アフリカ、アフガニスタン、レバノン、イラクから来た戦闘員を動員している」と語った。
サウジアラビアの国境沿いの警備が強化されているにもかかわらず、「アフリカの角」と呼ばれる地域の国々から毎年何千人もの移民がイエメン沿岸を越えて流入している。
国連の国際移住機関によると、昨年イエメンに到着した移民の数が2万7693人だったのに対し、2020年は3万7535人、2019年は13万8213人だった。
移民のほとんどはイエメンを中継地点として利用してからサウジアラビアに向かっている。
イエメン軍当局によると、一部のアフリカ系移民は金銭的誘引によってフーシ派と一緒に戦うよう誘われているが、多くのアフリカ系移民は強制的に採用されて戦場に送られているという。
フーシ派はアフリカ系移民の徴用を否定していない。また、フーシ派の報道機関は戦闘で死亡したアフリカ系移民の葬儀の様子を繰り返し放送している。
2月18日、フーシ派が運営するアル・マシラは、サヌアのフーシ派とエチオピア人ら多数が、戦闘で死亡したエチオピア人、カセム・アハメド・ユセフ氏の小規模な葬儀に参列する様子を映した映像を放送した。
葬儀の後、フーシ派の武装した人物が、エチオピア人に続いて戦争に参加するよう戦争への参加を渋るイエメン人に促した。
フーシ派の人物は、「我々は家に留まっているイエメン人に告げる。神の言葉を讃え、抑圧された人々を支援するために、神の大義に魂を捧げるエチオピア人がここにいる」と述べた。
昨年5月、フーシ派幹部とサヌアのソマリア人コミュニティのメンバー数十人が、戦闘で死亡したソマリア人、モハメド・サレハ・シェイク・タヘル氏の葬儀で行われた祈りに参加した。
フーシ派は、死亡したソマリア人の「勇気」を称え、フーシ派の敵と戦ったことに感謝した。
ムアンマル・アル・エリヤニ情報相は27日、フーシ派はアフリカ系移民の貧困を利用していると非難し、最近の葬列は消耗した人員を補強するための「フーシ派による必死の試み」だと続けた。
アル・エリヤニ氏はTwitterで、「フーシ派がアフリカ系移民のカセム・アハメド・ユセフ氏の葬儀を執り行い、ユセフ氏の親族を部隊に採用していることは、フーシ派が様々な戦線で自爆攻撃を行うためにアフリカ系移民や難民を採用していることを裏付けるもので、こうした行為は戦争犯罪で国際法や条約に違反している」と述べた。