


キエフ:ロシア軍は火曜、人口の多い都市部への攻撃を強化し、ウクライナ第2の都市の中央広場とキエフの主要テレビ塔を砲撃した。ウクライナ大統領は、モスクワによる露骨なテロ作戦を非難し、「誰も許さないし、誰も忘れない」と宣誓した。
ウクライナ当局によると、キエフ中心部から数マイルの位置にあり、多くのアパートからも歩いてすぐのテレビ塔が攻撃され、5人が死亡、5人が負傷した。テレビ制御室と変電所が攻撃され、ウクライナのテレビ局は放送を停止した。
同時に、ロシア軍の戦車など、数百台からなる64キロの車列がキエフに向けて進攻した。西側諸国は、「これはロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ政府を倒し、クレムリンに有利な政権を樹立するための進攻ではないか」と恐れている。
ロシア軍はまた、南部のオデッサ港やマリウポリ港など、ウクライナ全土の町や都市に対する攻撃も強行した。
第二次世界大戦以来、ヨーロッパで最大の地上戦となった6日目、ロシアはますます孤立を深めている。厳しい制裁措置によってロシア経済は混乱に陥っており、中国、ベラルーシ、北朝鮮など一部の国を除き、実質的に友好国がなくなった状態だ。
戦闘による死者の合計数は不明だが、複数の情報機関から説明を受けた西側情報機関の高官によると、「これまでに5,000人以上のロシア軍兵士が捕虜となったか死亡したと推計される」という。
英国国防省は、「過去2日間で、都市部の人口密集地に対するロシア軍の空爆と砲撃が増えている」と発表した。
ウクライナ第2の都市、ハリコフ(人口約150万人)では、旧ソ連時代の行政庁舎が攻撃され、少なくとも6人が死亡した。住宅地は爆弾によって破壊され、産科病棟は地下シェルターへと移された。
ハリコフの自由広場(市民生活の中心であるウクライナ最大の広場)も、ミサイルらしきもので攻撃された。多くのウクライナ人は、これを「ロシアの侵略が単に軍事施設の攻撃だけでなく、卑劣にも人々の精神を破壊しようとしている」証拠だと見ている。
巨大な中央広場を囲む建物の窓や壁は、砲撃によって吹き飛ばされ、瓦礫や埃がうず高く積み上げられている。ある建物には、漆喰のかたまりが散乱し、廊下には蝶番が外れたドアが倒れている。
非常事態省のハリコフ州代表であるイェベン・ヴァシレンコ氏は、「瓦礫の下には人がいる。皆で死体を引っ張り出している」と語った。この攻撃で6人が死亡したほか、20人が負傷したという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、中央広場への攻撃を「これは率直に言って、まぎれもないテロ行為だ」と断じ、ロシアのミサイル攻撃を非難して、これを「戦争犯罪」と呼んだ。「これはロシア連邦による国家テロだ。」
同大統領はその後、欧州議会での悲痛な訴えで、「これは我々がヨーロッパの平等な一員になるための戦いでもある。我々は今、世界中の人々にそれを示しているのだと信じている」と語った。
同大統領は「月曜にはウクライナ各地で16人の子供が殺された」と述べ、「軍事施設だけを標的にしている」というロシアの主張を嘲笑した。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、「ここ数日、ウクライナ東部の病院外でクラスター爆弾による攻撃が記録されている」と述べており、地元住民たちもハリコフやキヤンカ村での武器使用を報告している。しかし、確かな事実かどうかは未確認だ。
この疑惑が事実だと確認されれば、この戦争の新たな残虐性が示されることになり、ロシアは更に孤立を深める可能性がある。
クレムリンは、そのような兵器の使用を否定している。
AP