

ベイルート: 6日、シリア中部の砂漠でのダーイシュの下部組織による軍用バス攻撃で、兵士15人が死亡したと、ある戦争監視団が発表した。国営通信社は「テロ攻撃」だと報じている。
2019年にダーイシュの「カリフ国」は崩壊したものの、同グループは首都ダマスカス郊外からイラク国境にまで伸びるシリアの砂漠の潜伏場所から死者を出す攻撃を仕掛け続けている。
パルミラ砂漠でダーイシュの下部組織が「軍用バスを攻撃」し、「兵士15人が死亡、他に18人が負傷した」と、英国に本拠を置くシリア人権監視団は発表した。
国営シリア・アラブ通信は、6日午後の軍用バスに対する「テロ攻撃」で、「将校を含む」13人が死亡し、18人が負傷したと報じていた。
全国に広がる情報源ネットワークに頼る同監視団は、兵士のほとんどが「重傷」であるため、死者数はさらに増える可能性があると発表した。
ダーイシュは今のところこの攻撃の犯行声明を出していない。
6日の暴力事件は、4日にパルミラ東部で政権側の兵士3人が、乗っていた車に攻撃を受けて死亡した後の出来事だと、同監視団は付け加えた。
今年はこれまでに、シリアの砂漠で政権側の兵士とイランにつながる民兵61人がダーイシュの攻撃で死亡していると、同監視団は述べた。
シリア全土での反政府抗議運動が残虐な弾圧を受けた後、2011年にシリア紛争が勃発して以降、約50万人が死亡し、数百万人が避難している。
紛争は、地域や世界の大国を巻き込み、壊滅的な被害を出す戦争へとエスカレートした。
ダーイシュの指導者アブ・イブラヒム・アル・ハシミ・アル・クラシ氏は2月上旬、シリア北西部の地方イドリブの自宅に対する米軍の奇襲攻撃中に自爆した。イドリブは、シリアの反体制派の最後の主要拠点となっている。
クラシ氏は、米国が支援する地元部隊による数年にわたる攻撃と、シリアとイラク北部の自称「カリフ国」を失ったことで弱体化したダーイシュを引き継いでいた。
ダーイシュは、2014年に宣言した「カリフ国」を残虐行為で支配していた。
世界遺産である壮大な古代都市パルミラは公開処刑の場となり、現地でダーイシュは古代遺構も爆破し、その他の財宝も略奪している。
1月、ダーイシュの戦闘員はここ数年で最大の攻撃を仕掛け、過激派の仲間の解放を目的に、クルド人が支配するシリア北東部の都市ハサカの刑務所を攻撃した。
監視団によると、1週間近くにわたる激しい戦闘で370人以上が死亡したという。
1月にはこれに先立って、シリア兵と同盟軍の戦闘員9人がシリア東部の軍用車列に対する攻撃で死亡し、一方昨年11月には、シリア東部の別の攻撃で将軍1人と兵士4人が死亡したと、監視団は発表した。
昨年10月には、ダマスカス中心部の陸軍のバスに仕掛けられた2個の爆弾により、14人が死亡したと、国営シリア・アラブ通信が報じていた。
これは、ダーイシュが犯行声明を出し、司法宮を標的に少なくとも30人を殺害した2017年3月の爆弾テロ以降では、首都で最も多くの死者を出した攻撃となった。
AFP通信