
ドーハ:政府と反体制派は金曜、「カタールはチャドの和平交渉で仲介役を引き受けることに同意し、始まったばかりの和平交渉を円滑に促進させるため尽力する」と発表した。
政府と、40以上の反体制派や野党の代表たちは、アフリカ内陸部に位置するチャドで今年の選挙につながる可能性がある交渉を開始するため、2週間以上にわたりカタールに滞在している。
チャドのマハマット・イドリス・デビ・イトノ氏は、昨年4月に父であり長年の指導者だったイドリス・デビ・イトノ大統領が反体制派との戦いで死亡後に政権を握り、改革を誓った。
しかし、ドーハに数えきれないほど存在する反体制派は、政府との直接会談を拒否しており、新憲法作成のため5月に完全な国民対話を開始するという計画にも疑問符が付いたままだ。
カタールはこれまで、イエメン、レバノン、スーダンのため、そしてアフガンタリバンとアメリカ政府との和平交渉のために尽力してきた。カタールは当初、会談主催には同意したが、重要な交渉には関わりたくないとしていた。
反体制派は、「湾岸諸国が重要な役割を引き受けることに同意することは、大きな前進だ」と語っている。
カタール政府の仲介特使であるムトラク・ビン・マジェド・アルカタニ氏は、声明で「チャドでの和平交渉にはいくつか課題があるものの、正しい方向に進んでいる」と発表した。
「チャドの各政党は、ドーハで進行中の和平交渉において仲介役を務めるよう、カタールに正式要請を出した」
反体制派の各代表や交渉に関わっている政府当局者は、アルカタニ氏が仲介者としての任務を開始したと認めた。主な反体制派のひとつである「チャド変革友愛戦線(FACT)」広報担当のイッサ・アフメット氏は、「これは進歩だ」と述べた。
三つの野党連合はそれぞれ交渉委員会を立ち上げ、仲介者はそれぞれ個別に政府との接触に関する会議を実施した。
アフメット氏は、「各委員会はそれぞれの希望や条件を提示している」と付け加えた。月曜には更なる話し合いが行われる予定だ。
デビ大統領が致命傷を負ったときに戦った相手であるFACTは、反体制派に対するより幅広い恩赦を求めている。仲介者の手元には、押収資産の返還など、他派閥からの政治的要求の長いリストが届いている。
38才と年若い陸軍大将であるデビ氏の計画によると、ドーハの会談は5月10日に開始される国民対話へとつながり、それから新憲法への合意が得られた後に、選挙が実施される予定だ。
会談の行方を見守るアフリカの外交官は、「すでに2週間が経過している。長いプロセスになりつつある」と語った。「チャドの人々は、予定通りに国民対話を開始するのに苦労するだろう」チャドの会談は、過激派からの課題が山積みである地域の中心部にあるチャドの位置関係のため、アフリカで高い注目を集めている。
AFP