
アラブニュース
ロンドン:ドイツのレバノン系骨董品密輸業者が逮捕され、美術界の長年の謎が解決した。
2011年のエジプト革命の際、墓荒らしが紀元前1世紀のエジプト人神官の黄金の石棺を掘り出した。
宝石をちりばめ、場面や象形文字で装飾されたこの貴重品は、羊の頭を持つエジプトの神ヘリシェフの主任司祭ネジェマンクを来世に導くものと言われており、UAE、ドイツ、フランスの美術商を経て2017年にニューヨークのメトロ美術館に約400万ドルで売却された。
この作品のアメリカ到着を不審に思った米法執行機関FBIが、フランス当局と調査を開始した。
2019年にエジプトでの展示のために遺物が返還されると、その盗難をめぐって、クリストフ・K氏とリチャード・S氏とのみ名が明かされている2人のフランス人が逮捕された。
そして今回、ドイツのレバノン系骨董品商から密輸業者に転身したロベン・D氏が石棺の違法販売に関係していたことが判明し、遺物の謎が解かれた。
ロベン・D氏はEUの逮捕状が発行された後、ハンブルク空港で逮捕された。
ハンブルク検察庁のリディ・オエクテリンク氏によると、42歳のロベン・D氏は商業詐欺、盗品受け取り、文化財売買の罪で今月フランスに引き渡された。
ロベン・D氏は美術品密輸のベテランと思われ、パリで拘留されている。彼は、約5500万ドルの価値があるとされる他の5つの歴史的な遺物をルーブル・アブダビ美術館に違法に売却した疑いがある。