
アラブニュース
ロンドン:シリアのバッシャール・アサド大統領は、新しい拷問禁止法を可決することで、「数十年にわたる国家による人権侵害を隠蔽しようと」していると、アムネスティ・インターナショナルは指摘した。
アサド政権は、2011年のシリア紛争開始以来、自国民に対して広く行われてきた拷問に加え、強制失踪、偽装裁判、超法規的処刑など、無数の人権侵害で非難を受けている。
同政権は、新しい法律を水曜日に可決したが、それはわずか2日前に初めて提言されたものだった。この法律は、拷問の使用を違法とし、違反の有罪判決を受けた者には3年の禁固刑以上を科すものである。
しかし人権団体は、この法律によると被害者やその家族が法律に頼ることができなくなり、シリアの多くの人々が非常に弱い立場に置かれることになると非難している。
アムネスティの中東・北アフリカ地域副代表であるリン・マールーフ氏は、「国際的に認められた拷問禁止条約を遵守するための立法措置は歓迎ですが、新法は数十年にわたる国家による人権侵害を事実上隠蔽しています」と述べている。
「過去の拷問被害者への救済措置が提示されておらず、拷問の目撃者や生存者への保護措置も含まれていません。拷問生存者、また彼らが死亡した場合にその家族が補償を受けるかどうかも記載されていない」とも述べた。
「重要なのは、今後、拘置所や刑務所で拷問が行われないようにするための対策に触れていないことです」。
マールーフ氏は、アサド政権の国際的な監視と開示性がなければ、この新法は、シリア市民に対する残虐行為の歴史を正そうとする真の試みとは言えないと述べた。
さらに、アサド政権は、名の知れた拷問の加害者を裁判にかけること、そしてその裁判が公正であることを保証することに真剣に取り組む必要があると、彼女は付け加えた。
「アムネスティ・インターナショナルは、シリア当局に対し、国家機関による拷問を抑制する真の意図を示す第一歩として、死に至る拷問が何年にもわたって大規模に行われてきた同国の悪名高い拘置所への独立監視機関の立ち入りを早急に認めるよう求めています」と、彼女は述べている。
「さらに、この反拷問法は国際人権法に沿ったものでなければなりません。それは、第一歩として、拷問的、残酷、非人道的、その他非人間的な扱いの加害者が、通常の民事裁判所の公正な裁判において、死刑に頼ることなく裁きを受けることを保証することを意味します」と述べた。