
テヘラン:イラン政府は6日、同政府が国連の原子力監視機関に対し、ウラン濃縮を行った疑いのある痕跡が確認された件について説明した文書を送っていたことを明らかにしたと、国営メディアが報じた。IAEAが長期に渡り求めてきた事項に対し、イラン政府が回答を示していたことを同国が初めて認めた。
イランの文民による原子力庁の長官であるムハンマド・エスラミ氏によると、イラン政府は、過去に核開発を行った証拠があり、それまで未申告であった複数の施設に関して要求されていた文書を、3月20日に送付したと述べた。
当文書の期限は、イランで見つかった未申告のウラン粒子に関する問題を6月までに解決すると先月発表された合意の中で、3月20日と定められていた。この問題はイランとIAEAとの間の、長きにわたる緊張関係の原因となってきた。
エスラミ長官は記者らに対し、イラン政府は既に、イラン国内の3施設に関して要求されていた文書をIAEAに提出したと伝えたが、その詳細については明かさなかった。同長官は、IAEAの査察官が「回答を精査するために」イランを訪問し、この件に関する報告書を6月下旬までに完成させることを望んでいるとした。
ウィーンに本部を置くIAEAは、エスラミ氏の発言に対するコメントを控えた。
IAEAは2019年、イランによる過去の核開発との関連を示唆する、人工的に製造されたウランの痕跡を初めて確認した。
米国の情報機関や西側諸国、IAEAは、イランが2003年まで、組織的な核兵器開発活動を行っていたとの立場を取っている。
AP