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パレスチナの指導者、補償金判決を「イスラエル司法過激主義」と非難

ヨルダン川西岸地区のイスラエル人入植地ベイト・エルに近いラマッラー北部の入口でのイスラエル治安部隊と衝突で、催涙弾から逃げ惑うパレスチナ人。(AFP/ファイル)
ヨルダン川西岸地区のイスラエル人入植地ベイト・エルに近いラマッラー北部の入口でのイスラエル治安部隊と衝突で、催涙弾から逃げ惑うパレスチナ人。(AFP/ファイル)
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12 Apr 2022 05:04:09 GMT9
12 Apr 2022 05:04:09 GMT9
  • パレスチナ自治政府がテロ攻撃の加害者とその家族に支払いを行っていることに基づき、イスラエルの犠牲者に補償を行うべきという最高裁の判決に憤慨の声が上がった

モハメド・ナジーブ

ラマッラー: パレスチナは月曜日、前日のイスラエル最高裁による決定をパレスチナ自治政府の資金の「海賊行為」で、イスラエルの過激派と右翼団体によるパレスチナ人への集団処罰であると批判した。

パレスチナの指導者たちは、国際司法制度と法的機関、人権機関に対し、彼らが 「イスラエル司法過激主義」と呼ぶものを終わらせるために直ちに行動を起こすよう求めた。

アラブニュースが入手した68ページの最高裁判決は、ヨルダン川西岸地区またはハマス支配下のガザ地区で起きたテロ攻撃によるイスラエル人犠牲者の家族が、パレスチナ自治政府に金銭的補償を求める訴訟を起こすことを可能にするものだ。これは、パレスチナが現在、パレスチナ人の囚人とイスラエル人への攻撃を行った殉教者の家族に対し金銭的補償を提供していることを根拠としている。補償が支払われているとおいう事実は「彼らがテロ活動を行ったことの確認となる」ため、パレスチナ当局は犠牲者の家族にも補償を支払う責任があると判決は述べている。

ムハンマド・シュタイエ首相は、月曜日に開催されたパレスチナ自治政府の週次閣議の冒頭で、イスラエル裁判所の判決は「我々にとって受け入れ難いもので、違法かつ非合法である」と述べた。

さらに、パレスチナ政府は単に「殉教者の息子の遺児や囚人、その家族に対する」義務を果たしているだけだと付け足した。

この決定は、約20年前に第二次インティファーダ中のエルサレムで、パレスチナ人の攻撃により親族を殺された4家族の控訴について為されたものだ。彼らの賠償請求は、下級審で却下されていた。

最高裁は、パレスチナ自治政府は攻撃に対する責任を一切認めていないが、実行犯やその家族に金銭を送金したことは証明されていると述べた。上告を審理した3人の裁判官のうち2人が、囚人やその家族に補償を支払うというパレスチナ自治政府の方針は、テロに対する「インセンティブ」または「報酬」に当たると判断した。

判決を下したイツハク・アミット判事は、次のように述べた。「この行為には、テロ行為に対する報酬、インセンティブ、貢献、承認が見られ、これはテロとの戦いに関する法律に違反しているとすらいえる。囚人、または加害者が犯した罪の事実確認であると考えるべきだ」

この決定は、パレスチナ自治政府に攻撃で負傷または死亡した入植者の家族に補償金を支払うことを強制するものではないが、これらの家族はパレスチナ自治政府を訴えることができ、金銭的補償は、イスラエル政府によって、パレスチナ自治政府の資金から賠償金を差し引くことができる補償法を利用して得られる可能性がある。

パレスチナの拘禁者・元囚人庁のカドリ・アブ・バカール大臣は、アラブニュースに対し、今回の判決は「パレスチナの民とその指導者を抑止するための惨めな試み」で、当局の資金を押収しようとする「海賊・強奪行為」であると評した。

「イスラエルの過激派右翼は、あらゆる機会や安全保障上の状況を利用して、このような決定を下そうとする。それは、すべてファシスト占領政府トップによって支持されている」

アブ・バカール大臣は、国際司法制度と法的機関・人権的機関に対し、このようなイスラエルの司法過激主義に終止符を打つため、直ちに行動を起こすよう呼びかけた。

「アメリカの裁判所がユダヤ人過激派による当局への賠償要求訴訟を却下している時に、イスラエル司法制度はこの要求を法制化している」と、同大臣は語った。

パレスチナの安全保障を担当する政府高官は、アラブニュースに対し、裁判所の決定を実行に移すことは複雑な問題で、壊滅的な影響を及ぼす可能性があると述べた。現在、イスラエルは「清算」と呼ばれるプロセスを通じて、パレスチナからの輸入品に対する税金と関税を徴収し、毎月、一定の控除をした後にパレスチナに送金している。

「イスラエル人がハマスの攻撃で負傷したり死亡したりするたびに、イスラエルはパレスチナ自治政府に代わって徴収するパレスチナの税金から補償金を差し引くだろう」と、この情報筋は語った。「だが、何も残らないため、パレスチナ自治政府の弱体化と、将来的には崩壊につながるかもしれない」

パレスチナ自治政府治安当局の高官は、アラブニュースに対し、「これはパレスチナ自治政府の資金の海賊行為であり、パレスチナ人に対する集団的懲罰だ」と語った。

イスラエル人政治アナリスト、ヨニ・ベン・メナケム氏はこう語る。「パレスチナ自治政府はヨルダン川西岸とガザ地区における公式なパレスチナ人の代表であるため、パレスチナ人の暴力によるイスラエル人犠牲者に補償金を支払う責任がある」

「ハマスがガザからロケット攻撃を行ってイスラエル人を負傷させても、彼らはガザに行って裁判所に提訴し、ロケットを発射した者に補償を要求することはできない。では、イスラエル人被害者はどこに文句を言ったらいいのか。イスラエルの裁判所に提訴すれば、イスラエルが保有するパレスチナ自治政府の資金で補償してもらうことができるだろう」

ベン・マナケム氏はアラブニュースに対し、今回の判決はずっと前に下されるべきものであったと語った。

「パレスチナ自治政府は、テロと戦う代わりに囚人や殉教者の家族に給料を支払っているのだから、パレスチナの暴力の犠牲になったイスラエル国民に賠償金を支払うべきだ」

イスラエル人平和活動家、ゲルショーン・バスキン氏もこの見解に同意した。

「イスラエル高裁がパレスチナ人によるテロの犠牲者であるイスラエル人に対しパレスチナ自治政府の責任と補償を訴える権利を認めたことで、パレスチナ自治政府は自爆テロでイスラエル人を殺害したパレスチナ人の遺族や、イスラエルの刑務所にいるパレスチナ人の囚人に対し、殺されたイスラエル人の数が多いほど金額が多く得られるという給与体系で支払われる補償について再考するきっかけとなるはずだ」と、バスキン氏はアラブニュースに語った。

「このシステムは、殺人に対して報酬を支払うシステムだ。それ以外の見方はない。パレスチナには、支援が必要な人々に社会的なネットワークを提供する社会福祉制度が必要だ。年金制度も必要だし、パレスチナ解放のための闘争に参加した人々に補償を提供する正当な制度も考えられる」

「だが、殺害した人数によって報酬が支払わられるシステムは、単純に間違っている」

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