テヘラン:イランは18日、2015年の核合意を復活させるという大国との合意がまだ見通せないと述べ、遅れは米国のせいだとした。
「イランと米との間には2つ以上の懸案が残されている」と、イラン外務省のサイード・ハティブザデ報道官は述べた。
そして、「最近(欧州連合の担当者エンリケ・モラ氏経由で)伝えられた(米政府の)メッセージは、合意を導き出す解決策からはほど遠いもの」だと続けた。
イランは2021年4月以降、英国・中国・フランス・ドイツ・ロシアと直接、また米国とは間接的に包括的共同作業計画(JCPOA)を復活させるべく努力を重ねている。
米とイランの間接交渉を仲介するモラ氏はイラン当局者との話し合いのために先月テヘランを訪問し、その後ワシントンへ向かった。
その際彼は、厳しい交渉に残された隔たりの解消を望むと語っていた。
核合意は、2018年に当時のドナルド・トランプ米大統領が脱退を表明し、厳しい経済制裁を再度課したことで崩壊した。
イランは対抗措置として、合意で約束した内容のほとんどを後退させ始めた。
ハティブザデ氏は18日、核合意再建が遅れている原因は米側にあるとした。
「こうした遅れの責任は米政府にある。なぜなら、(イランに適した内容となるであろう)回答を先延ばしにしているからだ」
米国国務省のネッド・プライス報道官は今月、合意を阻んでいるのはイラン側だと述べた。それでも、米政府は「残された隔たりを克服するチャンス」はあると考えているという。
イラン政府は、軍部の思想面を担っている革命防衛隊を米国のテロ指定組織から除外するように求めており、それが交渉における主な障害の1つとなっている。米政府は指定解除に後ろ向きだ。
AFP