• ロシアがウクライナへの武器給与について米国をけん制
• 米国は榴弾砲、戦車、グレネードランチャーの弾薬提供を検討

リビウ/キーウ、ウクライナ：ロシアは、世界に向けて相当な核戦争のリスクを過小評価してはならないと述べ、自国はリスク低減を目指しているとした。また、東部で激しい戦闘が続くウクライナにおける西側諸国の通常兵器は正当な標的となると警告した。

セルゲイ・ラブロフ外相は外務省のウェブサイトに掲載されたインタビュー記録によれば、ロシアの国営テレビに「いまやリスクは相当なものだ」と語った。

「こういったリスクを人為的に高めたくはない。多くの人々がそれを望んでいる。危険は深刻かつ現実のものだ。我々はそれを過小評価すべきではない」

ラブロフ氏は第三次世界大戦を回避することの重要性と、現在の状況が米国とソビエトの関係が最も悪化した1962年のキューバ危機に匹敵するかどうかについて質問をうけた。

ウクライナのドミトロ・クレーバ外相はラブロフ氏のインタビューを受けて、ロシアは「世界を脅してウクライナの支援をさせないための最後の望み」を失ったと、Twitterに記した。「これはモスクワが敗北を感じていることを意味する」
米国のアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官は、日曜のキーウ訪問の際にウクライナへのさらなる軍事支援を約束した。

米国務省は月曜に、緊急事態宣言によってウクライナへの1億6500万ドル相当の弾薬売却を可能にするための承認を得た。国防総省によると、このパッケージは榴弾砲、戦車、グレネードランチャーの弾薬を含む可能性があるという。

ロシアの駐米大使は、西側諸国の武器が戦闘を激化させていると警告し、米国に輸送停止を求めた。

ラブロフ氏は「NATOは代理を通して実質的にロシアと戦争を行っており、その代理を武装させている。戦争は戦争を意味する」と述べた。

開始から2か月が経過したロシアのウクライナ侵攻は、1945年以来最大のヨーロッパの国への攻撃であり、数千人が死傷し、町や都市が瓦礫と化し、500万人以上が国外退避を余儀なくされている。

ロシア政府はこの侵攻を、ウクライナを武装解除し、同国をファシストから守るための「特別作戦」と称している。ウクライナと西側諸国は、これをウラジミール・プーチン大統領による正当な理由のない侵攻戦争のための偽りの口実だとしている。

米国は今週、ウクライナの武装に焦点をあてたウクライナ関連の防衛協議のために40か国以上が参加する会合を主催する予定だと、米国の関係者は述べた。

イギリスは、既存の自由貿易協定に基づくウクライナからの輸入品に対する関税を全て撤廃するとともに、新たな救急車、消防車、医療品、医療関係者のための資金を送ることで救急隊を支援すると発表した。

ロシアはまだ大都市をひとつも攻略できていない。ロシア軍は断固とした抵抗に直面し、キーウ郊外からの退却を余儀なくされた。

「毎日、そして特に抵抗が3か月目に入った今日、ウクライナの誰もが平和を思い、いつすべてが終わるのかと心配していることは明らかだ」とウォロディミル・ゼレンスキー大統領は月曜遅くに語った。

「現時点では、それに対する簡潔な答えはない」

首都キーウの攻略に失敗したロシア政府は先週、東部ドンバス州の掌握を目指して大規模な攻撃を開始した。これが成功すれば東の親ロシア派分離主義者が支配する地域と、ロシアが2014年に併合したクリミア地方がつながることになる。

ロシア国防省は、東部ドンバス地方においてウクライナ軍に外国からの武器を届けるために使われていた鉄道の電源供給施設6か所をミサイルで破壊したと述べた。ロイターはこの件について事実確認ができなかった。

ウクライナの国営鉄道会社の代表は、月曜にロシアからウクライナの鉄道駅5か所に対するミサイル攻撃によって鉄道作業員1人が死亡し、4人が負傷したと述べた。

ウクライナ軍はロシアの攻撃5件を撃退し、200人余りのロシア軍人を殺害したと、南部および東部区域のウクライナ軍司令部が発表した。

また、戦車5台と装甲車8台も破壊したと声明で述べている。
ロイターはこの件について直ちに事実確認ができなかった。

ウクライナ大統領補佐官のオレクシー・アレストビッチ氏によると、ロシア軍は月曜、包囲と砲撃によって破壊された都市の中で兵士が身を潜めているマリウポリの広大なアゾフスタリ製鉄所に対する爆撃と砲撃を継続したという。

ロシア政府は、製鉄所から民間人を避難させるための人道回廊を開くとしたが、ウクライナ政府は合意に至っていないと述べた。

ロイター