
テヘラン:イラン国営メディアによると、イブラヒム・ライシ・イラン大統領は、同国を訪問した中国国防相に、中国との協力関係を緊密にしたい政府の意向を表明した。
報道によると、ライシ大統領は中国の魏鳳和国防相に、イラン政府は中国との関係を戦略的に重要と位置付けていると述べた。核合意再建に向けたイランと各国との協議が停滞しているなか、イラン大統領が「一方的」と表現する米国の外交に対抗するうえで、両国のより緊密な関係を利用したい考えだ。
ライシ氏は、「一方的外交に対抗し、安定と秩序を作り出すことは、同じ考えを持つ独立した大国が協力することで可能になる」と述べたという。
魏氏は、イランと中国の関係を改善することは、「とりわけ現在の緊迫した危機的な状況において」安全をもたらすと述べた。
魏氏はまた、モハマド・レザー・アーシュティヤーニ・イラン国防軍需相とも会談し、他のイラン軍関係者と共に中国を訪問するよう招待したという。
国営イラン通信(IRNA)によると、アーシュティヤーニ氏は、中東などにおける米軍の駐留を非難し、「米国が駐留すると、地域は不安定化し、不安、不和、悲観論が広がり、戦争や破壊によって難民が発生している」と主張した。
魏氏は、今回の訪問の目的は、イランと中国の「戦略的防衛協力の改善」であるとし、両国の協力は、一方的外交の打破とテロとの戦いに「著しい」影響を与えるとの見方を示した。
イランと中国は近年、軍事的な結びつきを強めており、両国の海軍は双方の港を訪問し、インド洋で海軍合同演習を実施している。
2021年、イランと中国は25年間の戦略的連携協定に署名した。この協定には、石油や工業からイランの産業活動の促進、輸送や農業での協力まで、さまざまな経済活動での連携が盛り込まれている。
中国は、ロシア、英国、フランス、ドイツとともに、イランと主要国との間で結ばれた核合意に署名している。
AP