
ワシントン:裁判所の文書によると、米国の元大使が、駐パキスタン大使としての在任中にカタールのための違法なロビー活動に従事し、豪華な接待を受けていた。
駐アラブ首長国連邦(UAE)大使やアフガニスタン・パキスタン特別代表としても活動していたリチャード・オルソン氏は、退職後1年以内の外国のロビー活動に関する制限に違反し、連邦裁判所に起訴された。
訴状によると、当時まだ駐パキスタン大使だったオルソン氏は、2015年にパキスタン系米国人とロサンゼルスで面会した。この米国人は、バーレーンの仕事仲間を助けてほしいと依頼してきた。
この米国人(身分不詳)はすぐさま、会合のためにロンドン行きを手配した。その際、オルソン氏はファーストクラスのチケットや高級ホテル、夕食(1万9000ドル相当)について申告するのを怠った、と検察官は述べている。
現地で会ったビジネスマンは、オルソン氏が外交官を退職した後に30万ドルの年間契約で働くように提案してきたという。
当初の依頼は、ドーハ空港での米国による事前通関を認めるよう、カタールが米政府に掛け合うのを支援してほしいというものだった。事前通関が実現すれば、米国との貿易がやりやすくなり、利益向上につながる。
サウジアラビアとUAEがカタールとの国交を断絶した際にも、助けてくれるように依頼があった。その後、2021年1月のアル・ウラーでのサミットで国交が回復した。
カタール政府の職員は見返りとして、オルソン氏に接触したパキスタン系米国人に580万ドルを送金した、と訴状では述べられている。
オルソン氏は「カタールの米大使に直接接触することはできなかった」と語り、倫理規程違反を認識していたと認めている。
裁判所の記録によると、事案はカリフォルニアからワシントンへ送られ、オルソン氏は違反行為で有罪となった。
起訴は4月7日付けで、最初に報じたのはAxiosだった。
国務省外交局を退職後、オルソン氏(「リック」の愛称で知られる)は、パキスタンやアフガニスタンの話題でよくコメンテーターを務めていた。
AFP