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フーシ派がサマーキャンプを利用して子供を兵士として訓練していると親たちが警告

部族の会合でライフルを持つイエメンの少年。イエメン、サナア近郊。(AP/File)
部族の会合でライフルを持つイエメンの少年。イエメン、サナア近郊。(AP/File)
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13 May 2022 02:05:12 GMT9
13 May 2022 02:05:12 GMT9
  • 若者を兵士として採用し続けていることは、民兵組織が新たな軍事作戦に備えている証拠だと、アナリストは語る

サイード・アル・バタティ 

ムカッラー: イエメン政府関係者、人権活動家、宗教家、ジャーナリストは、フーシ派が掌握する地域に住む家族に対し、フーシ派民兵組織のサマーキャンプに子供を参加させないように警告し、イランに支援されたフーシ派が若者を兵士として採用しようとしていると非難している。

これは、フーシ派の指導者アブドルマリク・アル・フーシ氏が支持者に対し、支配下の地域でこれらのキャンプを開催するように命じ、それによって若者が彼の組織やイスラムに対して誤解を抱かないように「免疫を付ける」と約束したことを受けたものだ。

サナアだけで57のキャンプが始められており、今度の夏休み中に何百人もの生徒を集める見込みだと、フーシ派関係者が明らかにしたと伝えられている。

イエメン政府関係者や活動家が言うには、フーシ派はこれらのキャンプを利用して、未成年者を兵士にするための準備として過激化・洗脳しようとしている。

「あなたの子供をフーシ派の軍事サマーキャンプに送り出せば、将来あなたを殺す時限爆弾にしてしまう」と、イエメンのジャーナリストの Ghamdan Al-Yosifi氏は語り、このキャンプを「爆弾製造工場」と呼ぶ。

昨年フーシ派がこれらのキャンプを始めた際にも、親たちに対して同様の警告がなされた。何千人もの子供たちがこれらのキャンプで宗教教育を受けて卒業したと、フーシ派は主張している。

しかし批判者が言うには、子供たちは洗脳され、墓地に連れて行かれて武器使用の訓練を受けたという。

今年のキャンプは、イエメン政府とフーシ派が国連の調停による停戦のもとで戦闘を停止している中で準備が進んでいる。

イエメンのジャーナリストのAbdul Kareem Al-Medi氏は、子供を兵士にすることは同国の脆弱な平和を脅かすものだと語る。

「尊敬すべき人々や私たちを信頼してくれる全ての人に、悪のサマーテロキャンプに子供を参加させないように言いたい。自分の息子をモバイル殺人機械に変えてしまいたいのでなければ」とAl-Medi氏は警告する。

しかしフーシ派の主張では、このサマーキャンプの目的は、コーランの正しい暗唱を教え、イスラムに対する誤解を訂正し、次の世代をイスラエルを含む敵との戦いに備えさせることだという。

「サマーキャンプは、若者が夏休みの時間を無駄にせず、偽の文化に対する免疫を付け、コーランを習得し正しく暗唱できるようにするための手段と取り組みだ」と、フーシ派の軍当局者のジャラル・アル・ロワイシャン氏は水曜日にサナアのサマーキャンプを訪問中に語ったと伝えられている。

しかし、イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報大臣は、フーシ派は若者をイデオロギーに駆動された兵士に変えようとしていると非難し、亡くなった子供兵士やフーシ派のキャンプ内の子供の画像を公開した。

「フーシ派が支配する地域の親、族長、部族民に対して、子供を兵士にするキャンプを拒否し子供を守るように求めた。彼らのばかげた戦争の手助けをさせ、イランの意図を実行させることになるから、子供を送り込まないようにと」と、情報大臣は木曜日にTwitterに投稿した。

しかし、フーシ派は命令に従わない人々を酷く扱うため、親たちは子供がキャンプに参加することを許すかもしれないと、イエメンの人々の多くは思っている。

1月には、国連の専門家パネルが作成した報告により、フーシ派のこれらの活動への参加を拒否した女性たちが拉致され強姦されたことが判明した。

「イデオロギーに賛同してこれらの文化コースに参加する大人もいるが、それ以外の人は、雇用上の利益や人道支援を失いたくないという理由や、参加しないと報復されるという恐れから参加している」と、同パネルは声明を出している。

フーシ派によって兵士にされた2000人近いイエメンの子供たちが、中にはたった10才の子供たちもいたのだが、2020年初頭から2021年5月の間に戦闘で殺されており、子供たちはサマーキャンプ中に軍事訓練を受けたり軍事施設へ連行されたりしたと、同パネルは付言する。

イエメンのユネスコ常任代表のMohammed Jumeh氏は、戦場で殺された子供たちは、はじめにフーシ派のキャンプ内で洗脳され兵士にされたと述べ、警告を聞かなかった親たちを責めた。

「過激派のイデオロギーや聖職者から子供たちを守ることは、親の第一の責任だ」と、Jumeh氏は語る。

イエメンの軍事アナリストの主張では、フーシ派は国連の調停による停戦を守ると発表しているものの、子供を兵士として採用し続けていることはフーシ派が新たな軍事作戦に備えている証拠だという。

「サマーキャンプや文化コースは、新たな戦闘や終わりのない戦争に備える宗派的な扇動や動員のための中心地だ」と、あるイエメンの軍事アナリストは語る。

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