ムハンマド・ナジーブ
ラマッラー:イスラエルがヨルダン川西岸地区に4,000戸以上の入植者用住宅建設計画を認可したことで、二国家解決の将来に対する不安感がパレスチナで強まっている。
この決定はパレスチナ人が持つ二国家解決と独立国家設立への希望を脅かしている。
これらの居住地が設置された場合、2国が占領する領土の地理的連続性が断ち切られることになる。
NGO団体ピース・ナウによると、イスラエル民政局高等計画委員会は4,427戸の入植者用住宅をヨルダン川西岸地区に新たに建設することを認可した。
フランス、ドイツ、イタリアを含む欧州15カ国はこの計画を非難し、イスラエルが延期・中止することを要求している。
この認可には米国も反対の立場を強固にしている。
パレスチナ自治政府外務庁は、3,988戸の住居と多くの孤立した前哨地の設置計画を非難した。
外務庁は声明で、この認可は米国政府からの強い反対があったにもかかわらず下されたもので、先週複数の米国政府関係者が表明していると発表した。
国連が強調したのは、パレスチナとイスラエル側の間での信頼を構築するための努力と、休戦協定の制定とは、衝突を解決する前段階であるということだ。
外務庁はまた、「この人種差別的・植民地的決定は、東エルサレム、マサファー・ヤッタ、ヨルダン渓谷を含む、占領されているヨルダン川西岸地区を徐々に併合するという構想に由来し、実現可能で地理的につながったパレスチナ主権国家を設立するという少しの可能性さえ排除するものだ」と述べた。
パレスチナ側の批判の中には、イスラエル政府は時間との闘いの中で、最終交渉の行方を一方的に、イスラエルの利益に沿った占領の力によって、解決しようとしている、というものがある。
イスラエル政府はまた、パレスチナの地と民衆の権利を犠牲にして連立与党の保身に走ろうとしている、とパレスチナ側は主張する。
外務庁は米政権に対し、自らの責任と約束を果たし、立場と発言を行動に移し、二国家解決の保護につながる形で、イスラエル政府に全ての居住地設置行為を停止するよう圧力をかけることを要求した。
およそ70万人のイスラエル人入植者たちはヨルダン川西岸地区の至る所で生活しているが、125カ所の居住地は国際法の下で違法とされている。イスラエル人の中には今回の認可を祝う声もある。
ヨルダン川西岸地区と東エルサレムの60%を占めるパレスチナC地区の土地を入植者が奪取することを、イスラエル政府は黙認し奨励すらしてきたと批評家は警告を鳴らす。
入植行為はイスラエルを無条件に支持していた米国のトランプ前大統領政権時にピークを迎えた。
イスラエル与党政権のナフタリ・ベネット首相は、入植地拡大と、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムの入植者とを完全に支持している。
入植地拡大は二国家解決に不利益をもたらし、パレスチナの有力な政治家の長期的な目標である地理的連続性という点で、パレスチナ独立国家の設立にとって深刻な脅威となることを、多くのパレスチナ住民は非常に懸念している。
パレスチニアン・イニシアティブ・パーティーのムスタファ・バルグースィー事務局長は「これによってイスラエルの意図は、パレスチナ独立国家の設立につながるいかなる可能性をも破壊することだと確認できた」とアラブニュースに述べている。
バルグースィー事務局長は、ナフタリ政権下での入植地建設の拡大は「以前のいかなる右翼政権のものより素早く、当然ながらネタニヤフ政権時よりも悪い」と発言した。
また、「例えば左翼のメレツ党などの政党やマンスール・アッバースの政党が、そのような政府に残っていることは恥ずべきことであり、今すぐにでも打倒されなければならない」。
そしてイスラエルは「本件と入植に投資した企業に対して、米国から制裁を受けない限り思いとどまることはない」とも述べた。