
ダマスカス:国連のシリア担当特使ゲイル・ペデルセン氏は、テロ容疑で拘束されている数千人のシリア人に対する大規模な恩赦を歓迎する意向を示した。
シリアで11年続く破壊的な紛争において、バッシャール・アサド大統領はこれまで何度か恩赦を表明してきた。しかし、4月に発表された最新の恩赦は、テロ関連としてこれまでで最も包括的なものだと人権活動家は述べている。
ペデルセン特使はシリアのファイサル・ミクダード外相との会談後、ダマスカスで報道陣の取材に応じ、今回の恩赦について「かなり詳細な」説明を受けたと語った。
「恩赦の実施の進展具合について、今後も情報がもたらされることを強く期待している」。シリアの新憲法についての会議がジュネーブで開かれるのを前に、特使はそう語った。
そして「今回の恩赦には見込みがあり、進展があることを期待している」と続けた。
シリア司法省が数百人の収容者の解放を宣言する一方で、シリア軍の高官アフマド・トウザン氏は今週、指名手配者も含めた数千人が恩赦の対象になると地元メディアに語った。
だが「数字は刻々と変化している」と話し、恩赦の具体的な人数は明らかにしなかった。
国内の大規模なネットワークを駆使しているシリア人権監視団は、恩赦によってこれまで約1142人の収容者が解放されており、さらに数百人への恩赦が想定されると述べている。
これからの数日間、シリアの紛争当事者が、2019年に始まったプロセスの下で憲法に関する会議をスイスで実施する。
会議は、より広い政治プロセスへの道を開くと期待されている。
ペデルセン氏は「事態が前進し、何らかの信頼醸成が始まるような会議になることを願っている」と述べた。
シリアの内戦は、政権交代を求めるデモが暴力で鎮圧された後、2011年に始まった。
およそ50万人が死亡し、数百万人の難民を生み出している。
内戦において、国連は一貫して政治的解決を模索している。
AFP