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米国の交渉人、イラン核合意再建の可能性は低いと議会で発言

2022年5月25日、米国連邦議事堂で行われた上院外交委員会の公聴会で包括的共同作業計画(JCPOA)について証言するロブ・マレー イラン特務大使。(AFP)
2022年5月25日、米国連邦議事堂で行われた上院外交委員会の公聴会で包括的共同作業計画(JCPOA)について証言するロブ・マレー イラン特務大使。(AFP)
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27 May 2022 01:05:52 GMT9
27 May 2022 01:05:52 GMT9
  • 米国のロブ・マレー イラン特務大使は、イラン核合意の再建が可能であれば、米国は新たなイラン核合意を議会審査に提出すると述べた
  • マレー氏は、上院外交委員会の議員らを相手に証言を行った

ワシントン:米国の対イラン責任者は25日、米国は圧力を弱めるつもりがないと断言し、イラン政府が要求を変更しなければ交渉は失敗に終わる可能性が高いと警告した。

それでも1年以上に渡ってウィーンでのイランとの間接交渉を主導してきたロブ・マレー氏は、ジョー・バイデン政権は2015年核合意を依然として支持しており、合意に至れば制裁を解除する用意があると議員らに対して述べた。

「イラン側は過剰な要求を出しており、我々としてもそれに屈する気はないため、現時点で交渉が成功する確率は失敗する確率よりも低いでしょう」。上院外交委員会でマレー氏はそう述べた

マレー氏は、米国は「包括的共同作業計画(JCPOA)の範囲を超えた要求」は拒絶すると述べた。

「それがイランの選択ならば、我々はそれを受け入れ、立ち向かっていく準備が完全に整っています」
マレー氏の発言は、精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊をテロのブラックリストから除外するようイランが要求していることを念頭に置いたものと見られる。バイデン大統領はこの要求を拒絶しており、多くの議員からも厳しい反対の声が上がっている。

しかしマレー氏は、バイデン大統領が軍事行動を支持していないことを明確にした。軍事行動に関してはイスラエルが積極的な姿勢を見せており、イランの核科学者暗殺が疑われている。

「あらゆる選択肢を検討中です」マレー氏はそう述べ、軍事行動はイラン核合意を「妨げる」だけだと付け加えた。

マレー氏は米国がこれまで中東で行ってきた戦争の歴史を引き合いに出し、「我々はそのコストを理解しています」と発言。

「しかし今はそのことは置いておきましょう。外交こそが今回の唯一の解決策です」

だがマレー氏は、交渉が失敗に終わった場合は経済的圧力が強まるだろうと警告し、ドナルド・トランプ前大統領の時とは異なり、米国は欧州からの支持を受けることになるだろうと述べた。

マレー氏は議員らに対し、米国政府による合意締結に向けた最後のひと押しが成功する確率は「希薄」であることを認めた。

合意が実現した場合、イランが核計画に対する制限と監視を受け入れるのと引き換えに、国際的な制裁は緩和されることになる。

米財務省は25日、イスラム革命防衛隊とロシア政府関係者の支援を受けているネットワークに制裁を発動したと発表した。このネットワークは米国からの一方的制裁を無視し、数億ドル相当の原油を輸出していた。

欧州の大国、ロシア、中国の支持を受け、バラク・オバマ元大統領時代に合意が実現したJCPOAは、イランに経済的余裕を与えることを約束するものだった。また視察官は、イランが核計画に大きく歯止めをかけるこの合意の内容を遵守していたと述べている。

トランプ大統領は2018年にこの合意から離脱し、石油を含めイランに対して全面的に一方的制裁を発動し、イラン政府を屈服させると明言した。

米国の合意離脱後にイランが核計画の勢いを強めたことから、マレー氏はトランプ大統領のアプローチは明確な失敗だったと述べた。

バイデン大統領の民主党の一部を始めとする上院議員らは強い怒りの声を上げ、JCPOAの有益性が失われる段階にイランが核計画を推し進めるまで「あと数週間」しかないと1月にアントニー・ブリンケン国務長官が警告していたことを指摘した。

「我々は今後も希望を持って待ち続けます。しかし希望は国家の安全保障戦略ではありません」。上院外交委員会の民主党委員長を務めるボブ・メネンデス上院議員はそう述べた。

メネンデス氏は、「イラン政府以上に米国がJCPOAを求めている」とイランが世界に確信させたと述べた。

マレー氏はこれに対し、「合意によってもたらされる核不拡散の恩恵は、米国による制裁緩和に値する」という技術評価は依然として変わっていないと答えた。

さらにマレー氏は、最近行われた緊縮政策への抗議活動をイラン政府が弾圧したことを強く批判した。

「この政権には制裁をやり過ごすことができるほどの強さがあるとは思えません」。マレー氏はそう述べた。

「イラン政府は、自らの失策と我々の制裁により身動きが取れなくなっています」
上院外交委員会の共和党委員長を務めるアイダホ州のジェームズ・リッシュ上院議員は、進展が遅く断続的に行われる交渉について、「これはいつまで続くのでしょうか?」と発言した。

これに対しマレー氏は、バイデン政権は「合意によってもたらされる核不拡散の恩恵は、米国による制裁緩和に値するという評価が変わらない限り、我々はJCPOAに復帰する用意ができている」と答えた。

交渉の取り組みを支持する民主党議員らは、ここで平和的な圧力と交渉を諦めてイランの核計画に軍事攻撃を仕掛けるのは危険であり、無駄に終わる可能性が高いと主張した。

ヴァージニア州の民主党ティム・ケイン上院議員は、イランを一番の敵国としているイスラエルがイランの核施設に対して爆撃を行うという選択肢を持ち出しているが、米国のリーダーたちはその誘惑に抗うべきだと呼びかけた。

「爆弾で知識を消し去るのは困難です」。コネティカット州の民主党クリス・マーフィー上院議員はそう述べ、攻撃を受けてもイランは核計画を再建するだけではないかと訴えた。「また、地域紛争へと波及するリスクは重大です」

オバマ政権時に実現した国際的核合意から2018年にトランプ政権が離脱した後、イランは即座に核兵器保有力強化を再開した。

国際原子力機関(IAEA)は先週、イランが兵器級の濃縮度まで技術的にあとわずかのところまで迫る濃縮度60%のウランを約40キロ(90ポンド)保有していると発表した。

(AFPおよびAPとの共同)

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