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IAEA、「隠された」ウランに関してイランを非難

2022年6月6日、オーストリアの首都ウィーンにあるIAEA本部で、外交官らが四半期ごとに開かれるIAEA理事会に出席している。(ジョー・クラマー / AFP)
2022年6月6日、オーストリアの首都ウィーンにあるIAEA本部で、外交官らが四半期ごとに開かれるIAEA理事会に出席している。(ジョー・クラマー / AFP)
2022年6月6日、IAEAの会議に出席するIAEAのラファエル・グロッシ事務局長(左)と中国の張軍国連大使(右)。(ジョー・クラマー / AFP)
2022年6月6日、IAEAの会議に出席するIAEAのラファエル・グロッシ事務局長(左)と中国の張軍国連大使(右)。(ジョー・クラマー / AFP)
2022年6月6日、IAEA理事会に出席するイランのモハマド・レザ・ガエビ国連大使代理。(ロイター/レオンハルド・フォーガー)
2022年6月6日、IAEA理事会に出席するイランのモハマド・レザ・ガエビ国連大使代理。(ロイター/レオンハルド・フォーガー)
会議に出席するロシアのミハイル・ウリヤノフIAEA担当大使。(AFP)
会議に出席するロシアのミハイル・ウリヤノフIAEA担当大使。(AFP)
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09 Jun 2022 05:06:55 GMT9
09 Jun 2022 05:06:55 GMT9
  • 35カ国で構成する理事会で30カ国が、イランを正式に非難するという決議に賛成票を投じた
  • 中国とロシアだけが同決議に反対し、他の3カ国は棄権した

アラブニュース

ウィーン/ジェッダ:国際原子力機関(IAEA)は8日、イランの核開発を監視する査察団に協力しないイランに対する正式な非難決議を採択し、イランを痛烈に非難した。

この非難決議がウィーンで開かれたIAEA理事会で採択されたことで、イランの核の脅威をめぐる緊張が高まり、危機的段階に達する恐れがある。イランが、3つの未申告核開発施設で見つかった、説明されてない核分裂性ウラン粒子について、「信用に足る情報」を提供しなかったことを同決議は非難している。

米国のローラ・ホルゲートIAEA担当大使は、イランに国連査察団と協力するよう要請し、この非難決議の目的はイランに責任を取らせることだと述べた。「IAEAのアクセスを制限しても、仕事をしているだけのIAEAを政治問題化しようとしても、何の意味もない」と同氏は述べた。

2022年6月6日、米国のローラ・ホルゲート国連ウィーン事務所代表・IAEA担当大使がIAEA理事会に出席している。(AFP)

35カ国で構成するIAEA理事会で8日の決議案に反対したのは、ロシアと中国の2カ国だけだった。30カ国が賛成票を投じ、3カ国が棄権した。この決議案を提出したのは、米国、英国、フランス、ドイツだった。

決議文には、イランが十分に協力せず ウランの痕跡が説明されないままであることに理事会は「深い懸念を表明」し、「即刻」IAEAに協力するようイランに求める、と書かれている。

同決議案が可決される前に、イランは核計画を監視するカメラ2台を停止させたと発表した。イランは、濃縮施設の配管を通じてウランガスの濃縮を監視するIAEAのオンライン・モニターのうち2台を停止させたのだ。この動きにより、査察団がイランの核計画を監視するのはさらに困難になった。イランは現在、兵器級に近い濃縮ウランを十分な量保有しており、その気になれば原子爆弾の開発を進めることができる、と専門家は警告している。

イランのブシェール原子力発電所。イランは現在、兵器級に近い濃縮ウランを十分な量保有しており、その気になれば原子爆弾の開発を進めることができる、と専門家は警告している。

イランが核兵器の開発を進めたとしても、原子爆弾を製造するにはまだ時間が長く掛かるだろう、とアナリストは言っている。だが、イランが進歩することで、核計画が危険性を増している、と彼らは警告している。

経済制裁解除と引き換えにイランの核開発を抑制した2015年核合意の立て直しに向けた協議がウィーンで行われてきたが、3月以降行き詰まっている。

フランス、ドイツ、英国は、イランの最近の動きは「イランが最初の核兵器を製造するのに掛かる時間をさらに短縮し、イランの意図に関する不信をあおっている」と警告した。

3カ国はこう言っている。「IAEAは、遠心分離機や部品の製造に関する重要なデータに、ここ1年半ほどアクセスできていない。これはつまり、IAEAも国際社会も、イランの遠心分離機の在庫数・製造数・所在地を知らないということだ」

3カ国はイランに対し、「核開発をエスカレートさせるのをやめて、進行中の核交渉を至急妥結するよう」要請した。

イスラエルはイランに対する非難決議を歓迎した。

「これはイランの素顔を暴く重要な決議だ」とナフタリ・ベネット首相は声明で述べ、「(IAEA加盟国は)イランが核兵器を獲得するのを阻止・妨害するために協力した」と付け加えた。

「イランが核活動を続けるなら、主要国はイラン問題を安保理に持ち帰るべきだ 」と同氏は付け加えた。

(通信社と共同)

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