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IAEA、膠着状態にある核協議を「今すぐ」再開するようイランに要請

国際原子力機関のラファエル・グロッシ事務局長が、オーストリアのウィーンで記者会見している。(資料写真/AFP)
国際原子力機関のラファエル・グロッシ事務局長が、オーストリアのウィーンで記者会見している。(資料写真/AFP)
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14 Jun 2022 03:06:20 GMT9
14 Jun 2022 03:06:20 GMT9
  • 核合意の立て直しに向けた協議は3月以降停滞
  • イランの通貨は米制裁で史上最安値まで下落

ワシントン/テヘラン:国際原子力機関(IAEA)は12日、イランに対し、2015年核合意の再建が「さらに極めて難しく」なりうるという危機を避けるため、「今すぐ」協議を再開するよう要請した。

イランは今週、IAEAが核活動を監視するためのカメラの一部を停止した。これは、6月8日に可決した西側諸国の決議への対応だ。その決議でIAEAは、イランの協力がないことを非難した。

IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、CNNが12日に放送したインタビューで、監視カメラ27台が「取り外された」と述べた。これは「きわめて重大な動き」だ、と同氏は述べた。

「最近の歴史を見れば、IAEAに『帰れ』と言い始めるのは決して良いことではないと分かる……事態はさらに難しくなる」と同氏は付け加えた。

包括的共同行動計画として知られている2015年核合意は、イランの核活動の抑制と引き換えに、深刻な打撃をもたらす経済制裁を緩和した。

しかし2018年、ドナルド・トランプ米大統領(当時)は一方的に核合意から離脱し、制裁を再開した。これをきっかけに、イランは自らが交わした約束を反故にし始めた。

核合意の立て直しに向けた協議は3月以降停滞している。

CNNのインタビューで、グロッシ氏はイランの原子力担当者に「我々は腰を落ち着けて状況を是正しなければならない。我々は協力を続けなければならない」と話していると述べた。

「イランが、経済発展のために大いに必要としている自信と信用を得るには、IAEA査察団の立ち会いを認めるしかない」

監視カメラがなければ、イランの核開発が、イランが繰り返し主張しているように「平和的」なものなのか、それともイランが核爆弾を開発しているのか、IAEAは間もなく断言できなくなってしまう、とグロッシ氏は話した。

たとえイランが数カ月後にカメラを再接続したとしても、その間にイランが行う活動は秘密のままであり、いかなる合意も無駄になる可能性がある、とグロッシ氏は指摘した。

したがって、今回のイランの行動で、「核合意への復帰はさらに極めて難しくなる」と同氏は述べた。

トランプ氏は、ひどい欠陥のある合意だと言って米国を離脱させたが、同氏の後継者であるジョー・バイデン氏は、イランも自らが交わした約束を守るなら、再びこの合意を受け入れる用意があると言っている。

しかし、交渉担当者らは挫折を繰り返し、失敗に終わる可能性はかつてないほど高いように見える。

12日に出された声明によると、アントニオ・グテーレス国連事務総長は11日、イランのホセイン・アミル・アブドラヒアン外相との電話会談で、外交官らに核合意を立て直すよう求めた。

一方、イランの通貨は12日、史上最安値まで下落した。米国の対イラン制裁が今も実施されているからだ。

イラン経済が悪戦苦闘している主な原因は、米国がイランと世界の主要国が締結した核合意から離脱し、イランの石油と金融部門に対する制裁を再開させたことだ。

テヘラン中心部では、最近の事業税の引き上げを受けて多くの店が事業を停止した後、店主数十人が経済状況の悪化に抗議する街頭デモを行った。大勢の警官が出動したが、介入はしなかった。

(AFP、APと共同)

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