

ハゼム・バルーシャ
ガザ市:イスラエルの戦闘機が18日朝、ガザ地区の3地域にある複数のハマスの施設を空爆したが、負傷者は報告されなかった。
空爆の後、炎の玉が空に向かって発射され、黒煙がガザ上空を漂った。
イスラエルによる空爆は、早朝にガザ地区からアシュケロン市に向けて発射されたパレスチナのロケット弾に対応するものだった。昨年5月の交戦以降、初めてだった。
パレスチナのどの組織も、そのロケット弾攻撃の責任を認めなかった。
イスラエル当局者の話を引用したイスラエルの複数の報道によると、ジェニンでパレスチナ人3人が殺害されたことを受けて、イスラム聖戦がロケット弾を発射した。
17日朝、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区北部ジェニン市でパレスチナ人3人を射殺した。犠牲者の1人は、ハマスの軍事部門であるアルカッサム旅団に所属していた。
地元のアナリストらは、ガザから発射されたミサイルはジェニンでの殺害に対応したものだとみているが、そのミサイルの目的はイスラエルとガザ地区を交戦させることだとみている人たちもいる。
イスラエルは、アルカッサム旅団が所有する軍事施設、ガザ市東部のいくつかの監視塔、そしてガザ地区北部ベイトラヒヤを空爆し、被害を与えた。
空爆後に出した声明で、イスラエル軍はこう言った。「ハマスが前夜にイスラエル市民に向けて発射したロケット弾に対応して、イスラエル国防軍機は、ガザにある武器製造施設と他のハマスの軍事施設3カ所を空爆した」
ハマスのハゼム・カッセム報道官は、ガザ市南東部への空爆は「エルサレムと占領されているヨルダン川西岸地域にあるパレスチナの領土に対する侵略の延長線上にある」と述べた。空爆は、17日にパレスチナ人3人が殺害された後に行われた。
同じ事件で、イスラエル軍の急襲を受け、ヨルダン川西岸地区にあるパレスチナ武装勢力の拠点ジェニンでパレスチナ人12人が負傷した。
イスラエル軍が、男性らが乗る車両に発砲し、男性らは殺害された、とパレスチナ通信(Wafa)は伝えた。
これも17日に起きたことだが、イスラエルの観測気球がガザ地区北部で墜落した。
イスラエル軍は、この事件を調査したと発表したが、その気球はパレスチナ武装勢力に墜落させられたのではないとのことだった。
ハマスは、その気球に取り付けられていたカメラを押収した。イスラエルは情報漏洩の恐れがないことを確認したが、同国はガザの境界に沿って配置していた他の観測気球を全て下降させた。
ガザ地区では、先の交戦以来、異なる時期に限定的なエスカレーションが見られた。
カイロにあるアル・アズハル大学のムハイマル・アブ・サーダ教授(政治学)によると、ガザから発射されたロケット弾は、イスラエルとハマスの間で交わされるメッセージの範囲内だという。
「どうやらハマスは、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人を標的にし続ければ、ガザ地区でもエスカレートする可能性がある、とイスラエルに伝えたかったようだ」とアブ・サーダ氏はアラブニュースに語った。
「この時期に大規模なエスカレーションに直面することはないと思う。交わされるメッセージは、ミサイル発射や発砲によるものもあれば、仲介者を介するものもあるだろう。しかし、現地情勢を踏まえれば、あらゆる可能性がある」と同氏は話した。
4月にも、パレスチナ武装組織がガザからロケット弾を発射した後、イスラエル機がガザを空爆した。
その交戦の前には、命に関わる暴力行為が1カ月近く続いた。それは、イスラエルに併合された東エルサレムにある対立の火種、イスラム教第3の聖地アル・アクサ・モスクの構内に焦点を合わせたものだった。
ハマスが支配する貧しいガザ地区は、人口230万人の、沿岸にある飛び地だが、2007年以降、イスラエルに封鎖されている。
昨年、イスラエルとハマスが11日間にわたって交戦した原因の一つは、アル・アクサモスクの構内をめぐる騒動だった。
イスラエルは1967年の六日戦争でヨルダン川西岸地区と東エルサレムを占領した。イスラエルはその後、東エルサレムを併合したが、ほとんどの国はこの措置を決して認めていない。