
バグダッド:イラン精鋭部隊コッズ軍を率いるガセム・ソレイマニ司令官が、バグダッド国際空港の空爆で金曜日に死亡したことを、イラクのテレビ報道と3名のイラク当局者が伝えた。
この空爆で、国民動員軍(PMF)と呼ばれるイラン系民兵組織の副司令官であるアブ・マハディ・アル・ムハンディス氏も死亡したと当局者たちは述べた。
彼らの死は、中東におけるターニングポイントとなる可能性があり、イランや、イランが支援する中東地域の反イスラエル・反米武装部隊による熾烈な報復を招くことが予想される。
PMFは、金曜日のバグダッド国際空港空爆について米国を非難した。
米国とイランは直後にはコメントしなかった。
あるイラク政府高官と治安当局高官がAP通信に、空爆での死亡者にソレイマニ氏とアル・ムハンディス氏が含まれていたと語った。イラン派武装組織のリーダー2名も彼らの死を認めたが、そのうち1名は、今週の米国大使館への攻撃に関わった組織であるカタエブ・ヒズボラの当局者である。
彼は匿名を条件に語ってくれたが、アル・ムハンディス氏は、レバノンかシリアから航空機で到着したソレイマニ氏を出迎えるために、車両部隊で空港に着いたところだったという。ソレイマニ氏が航空機を航空機から降り、アル・ムハンディス氏とその一行の出迎えを受けようとした途端に空爆が発生し、全員が殺害された。彼が匿名を条件としたのは、過敏な問題であることと、公式発言の許可を与えられていないことによる。
イラク政府の高官は、ソレイマニ氏の遺体は嵌めていた指輪で特定されたと述べた。
ソレイマニ氏はこれまでにも、イラン北西部で他の民兵組織当局者たちが死亡した2006年の航空機墜落や、四面楚歌だったシリアのバシャール・アサド大統領の上層部側近たちが殺害された2012年の爆撃後など、数回にわたって死亡が噂されてきた。最近では2015年11月に、アサド派部隊を率いてシリアのアレッポで戦っていたときに、ソレイマニ氏が死亡したか重症を負ったとのうわさが駆け巡った。
イランを後ろ盾とするある自警武装集団の当局者が金曜日当日のこれより早くに、バグダッド国際空港に発射されたミサイルで7名が死亡したとし、米国を非難していた。
国民動員軍(PMF)という名の組織の当局者は、死亡者にはムハンマド・レダという空港儀典官も含まれていたと述べた。
ある治安当局者は、空港への攻撃で7名が死亡したことを明言し、それは空爆であったと述べた。それより前に、イラクの治安について報道する同国の『セキュリティー・メディア・セル』が、多連装ロケット砲が空港の貨物ターミナル付近に着弾して7名が死亡、車2台が炎上したと伝えていた。
ミサイルまたはロケットを誰が発射したのか、また誰を標的としたものであるかは、直後には明確にされなかった。米国からの直後のコメントはなかった。
今回の攻撃は、大晦日にイラン派民兵組織がバクダッドの米国大使館を攻撃して緊張が高まっていた最中に発生した。2日に及ぶ大使館攻撃は水曜日に終了し、ドナルド・トランプ大統領はこれを受け、約750名の米軍兵士を中東に配置するよう命令していた。
大使館への攻撃は、日曜日に米国の空爆でイラン派民兵組織カタエブ・ヒズボラの戦闘員25名が殺害された後に起きたものだった。米軍は、その空爆は先週のイラク軍事拠点へのロケット攻撃でアメリカ人業者が殺害された報復だとし、カタエブ・ヒズボラを非難した。
米国当局者たちは、イラクでさらなる報復攻撃を実行する準備ができていると示唆していた。
「やり方は変化している」とマーク・エスパー国防長官は木曜日に報道陣に語り、アメリカ人1名を殺害した12月27日のロケット砲など、イランを後ろ盾とするイラクのシーア派民兵組織による暴力行為は、米国軍による報復を受けることになるだろうと述べた。
彼は、イラク政府は米国大使館への攻撃で米国人パートナーを守るという自らの義務を十分に果たしていないと述べた。
この展開はイランと米国の連携関係の大きな低迷を表すものであり、それがさらにこの地域における米国の影響力やイラクの米軍を弱体化させ、イランに圧力をかけるという米国戦略の効力を弱める可能性がある。
AP通信