
ナジャ・フーサリ
ベイルート:アラブ諸国の外相らは土曜日、ベイルートで開催されたアラブ連盟の会合を終え、レバノンのIMF交渉と改革プロセスへの支援を約束した。
外相らは、「極めて困難な」経済・社会状況におかれたレバノンに集まったことは、アラブ諸国が同国の安定を支持しIMFとの交渉と改革プロセスを支援するというメッセージだと述べた。
アラブ連盟のアフマド・アブルゲイト事務総長は、「我々は問題を指摘し解決への努力を促すために集まった」と述べた。
同事務総長は記者会見で、会合では次回のアラブ連盟首脳会議の準備、時期、出席者について話し合ったことを明らかにした。
「しかるべき所で決定されるように、いくつかの議論を行い、意見を交換した。ウクライナ侵攻、食料、エネルギー、さらに何百万人もの国民が飢餓の危機に直面する恐れのあるソマリアについても話が及んだ」
「アメリカとイスラエルの動きの中でのパレスチナ問題、それに対する我々の対応についても議論した。内容は明かさないが、あくまで議論なので、いかなる合意も行わなかった」
「シリア難民の圧力を終わらせることを全員が支持している。レバノンは彼らにケアを提供するが、自国への帰還の承認のような決定を下すためには、特定の状況が整う必要がある」
同事務総長は、シリアでは内戦が続いており「甚大な」破壊が起こっていると述べた。
「シリアのインフラを復旧するためには少なくとも5億ドルは必要だ」という。「これは非常に込み入った問題で、単純な決定では解決できない。ただ、国際社会にはシリアの内戦を終わらせる意志があり、レバノンやヨルダンなどにいる難民の問題に関しては引き続き圧力をかけ続ける」
アブダラ・ボウ・ハビブ暫定外相を代表とするレバノンが外相会合の議長国を務めた。
11月上旬に開催されるアラブ連盟首脳会議ではアルジェリアが議長国を務める。首脳会議は新型コロナに伴うロックダウンにより2020年と2021年には延期になっていた。
土曜日の会合には、クウェート・イエメン・ヨルダン・カタール・チュニジア・アルジェリア・コモロ・スーダン・ソマリア・パレスチナの外相、エジプトの副外相、サウジアラビア・UAE・ジブチ・イラク・モロッコ・オマーン・リビアのアラブ連盟常任代表、モーリタニアの代表、バーレーンの駐シリア大使が出席した。
アラブ諸国の閣僚代表団はレバノンのミシェル・アウン大統領と会談した。同大統領は、「アラブ世界が経験している危機的状況や直面している課題」の中での地域関係の重要性、および「最大限の協議と協力の必要性」を表明した。
同大統領は、レバノンが直面している危機と同国内のシリア難民の負担について触れ、「もはやこの現実に対処する力がない」と述べた。
また、「IMFとの合意に達するべく努力している。レバノンの南の海上国境の画定に関しては米国が調停している」と述べ、同国は水・原油・天然ガス資源を保持すると付け加えた。
シリアのアラブ連盟への参加停止の解除に関する報道陣の質問に対し、アルジェリアのラムタネ・ラマムラ外相は、「シリアは連盟の創設メンバー国であるため、我々は参加停止を支持しなかった。シリアの外相にアルジェリアに来てもらい、その点に関して強い責任感を持って話し合う予定だ」と回答した。
アラブ諸国の閣僚代表団は、レバノンのナビ・ベリ国会議長とも会談した。同議長は、同国は「我が国の苦難の核心を分かってもらえるようアラブの兄弟たちに」求めていると述べた。
同議長は代表団に対し、天然ガス採掘に向けて、米国の調停のもとでイスラエルとの間で海上国境画定のための間接的な交渉が進んでいると明かした。
先日首相に指名されたナジブ・ミカティ氏は、金曜日の夜に代表団と会談した。
同氏は、アラブの紛争に対する分離政策を強化するような形で国連安保理とアラブ連盟の全ての決議を実行すること、領土全域に国の主権を拡大すること、アラブ諸国への攻撃や安全に対する脅威を防止することを改めて約束した。
アブルゲイト事務総長は、レバノンにおけるヒズボラとイランの役割に反対するレバノン主権戦線から政治的書簡を受け取った。
この書簡は「レバノンとその領土を敵対行為の実行のための足場として利用することで我が国を危険に晒し全方位からの攻撃に晒しているイランによる支配から解放される権利の有効化」を要求している。
さらに、「イランから支援、命令、資金提供を受けているヒズボラの組織的武装民兵に代表される違法な兵器の存続」を強調している。