
ドバイ:イラン当局が、著名な改革派の活動家と映画制作者2人を治安維持に反する行為の罪で逮捕したと、7月8日、地元メディアが報じた。
改革派の元内務次官で活動家に転じたMostafa Tajzadeh氏が、「国の治安維持に反する行為と世論を乱す嘘を広めた」容疑により拘束されたと、半官の通信社Mehrが報じた。
イブラヒム・ライシ大統領率いる強硬派政権は、ここ数か月、食料価格の高騰が抗議行動を引き起こすなど、国民の不満にさらされている。2015年の核合意を復活させ制裁を解除するための米国とイランの間接協議も行き詰っている。
Tajzadehは、率直に政府批判を行っており、核合意復活の取り組みが失敗した場合、セイエド・アリー・ハメネイ最高指導者が責任を負うべきだと述べた。
「現在の嘆かわしい経済状況と国民の不満の下では、核合意復活の失敗は壊滅的な結果をもたらすが、その責任は主にハメネイ最高指導者にある」と、Tajzadeh氏は前の週、Twitterに書き込んでいる。
Tajzadeh氏の逮捕がこのツイートと関連しているかどうかは不明であるが、ハメネイ最高指導者は国家のあらゆる事柄について最終的な決定権を持ち、批判されることはほとんどない。イランの法律では、ハメネイ最高指導者を侮辱するような発言は、実刑判決を受ける可能性もある。
また、これとは別に、反体制派の映画監督Mohammad Rasoulof氏と同僚のMostafa Aleahmad氏が7月8日にに拘束されたと、国営通信社IRNAが報じ、反政府グループとのつながりと治安維持に反する行為を犯したと非難した。
この2人は、5月に発生したビル倒壊事故の後の抗議デモで、治安部隊に、「武器を捨て、国民に抱かれよ」と呼びかける文書に署名した俳優や映画製作者のグループのメンバーで、当局は、汚職と安全性の甘さと非難していた。
Tajzadeh氏 とRasoulof 氏は2人とも過去に起訴されたことがある。
Tajzadeh氏は2009年から2016年の間、主に2009年の論争となった選挙後の騒乱に関与した罪で収監された。Rasoulof氏は、無許可での撮影から「国家の治安維持に対する共謀」に至るまで、執行猶予判決が2件はある。
Rasoulof氏は、イラン政府の検閲を秘密裏に潜り抜け、死刑をテーマに撮影した『悪は存在せず』(“There Is No Evil”)で、2020年にベルリン映画祭の金熊賞を受賞している。
ロイターは、拘束された彼らの弁護士からコメントを得ることができなかった。
AFP