チュニス:チュニジア警察は金曜日、催涙スプレーでデモ参加者を解散させ、数人の参加者を逮捕した。新憲法をめぐる論争的な国民投票を3日後に控える中で、数百人がカイス・サイード大統領に反対して集結していた。
AFP通信の記者によれば、チュニス中心部のハビブ・ブルギバ通りには300人以上が集まった。周囲には放水砲や暴徒鎮圧用の装備を用意した多数の警察が待機していたという。
一部のデモ参加者が重々しい内務省のビルの付近で展開された警察のバリケードに近づくと、警察によって行く手を阻まれた。
2人の警察関係者によると、少なくとも10人のデモ参加者が逮捕されたという。
デモは、チュニジア国民が月曜日の憲法草案への投票の準備を進める中で行われた。新憲法は、サイード大統領が去年の7月25日に政府を解散し議会を停止し以来振るってきた強大な権力を正式に明文化するものだ。
サイード大統領の動きは、危機に瀕したチュニジアの政治体制に対する決定打となった。同国は2011年に起こったアラブの春の結果として生まれた唯一の民主主義体制だったが、サイード大統領の批判者は、新憲法は独裁体制への回帰を目指すものだと指摘する。
数人のデモ参加者は「新憲法を阻止する」や「独裁者サイード」といったスローガンの書かれたプラカードを掲げていた。
サイード大統領の草案を念頭に、「我々(チュニジア国民)は一言も書いていない!」と書かれたプラカードもあった。
SNJT(チュニジア・ジャーナリスト組合)の代表であるメディ・ジェラッシー氏は催涙スプレーを顔面に受けて現場で治療を受けたと、AFP通信の取材に対して語った。
ある警察官は、参加者は市の中心部の大通りの一部でデモを行う許可を得ていたが、「挑発をするために意図的に内務省の方向に移動した」として、騒乱の責任は彼らにあると主張した。
極左政党の労働者党の代表であるハマ・ハマミ氏は、サイード大統領への反対派は決してあきらめないと誓った。
「新憲法が通過するかしないかに関わらず、この新たな暴君を打倒するまで、我々の闘いは続くだろう」と同氏は記者団に語った。
また「我々は投獄も拷問も死も恐れない」とも述べた。
AFP