
ブリュッセル: 欧州連合(EU)は8日、イランの核兵器開発を防ぐための国際合意を保持するために「努力を惜しまない」と声明を述べた。
EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ジョセップ・ボレル上級代表による「中間交渉」への取り組みを継続し、イラン側が後退姿勢を見せている状況ではあるものの2015年の核合意を救うためにすべての交渉参加国に働きかけを行っていくと述べた。
フォン・デア・ライエン委員長は同地域における緊張緩和の必要性を繰り返し述べている。特に、米国の空爆によりイランのスレイマニ司令官が殺害されたことへの報復にイランが米軍基地2カ所にミサイル攻撃を行ったことで、この発言の切迫度は高まっている。
フォン・デア・ライエン委員長と共に発言を行ったボレル上級代表は、緊張悪化に関係しているすべての国に対し、軍事行動を避けるよう呼びかけた。
「先ごろ行われた米軍および欧州諸国を含む同盟国によるイラク空軍基地へのロケット砲による攻撃は、対立悪化と緊張の高まりを示す一例です。暴力の連鎖をさらに悪化させることは、誰の利益にもなりません」ボレル上級代表はそう述べた。
ボレル上級代表は協議を行うためにイランのジャヴァド・ザリーフ外相をブリュッセルに招いた。EU外相としての役割を担うボレル上級代表は3日、進行中の危機についての議論のため特別協議を開催した。
米国の無人機によってスレイマニ司令官が殺害されたことを受け、先週末、イランはウラン濃縮のための遠心分離機の使用台数制限の遵守を今後は行わないと発表した。
ザリーフ外相はこの動きは核合意の枠組みの範囲内での「是正措置」であり、行動撤回の可能性はあると述べた。
AP