ウィーン:イラン核開発をめぐる協議が木曜日にウィーンで再開され、核合意復活に向けた交渉が行われている。
諸大国とイランの高官がオーストリアの首都で3月以来の会合を行った。合意への米国の復帰に向けた交渉は2021年に開始されたが、前回の会合で行き詰まっていた。
EU高官によると、今後米国が約束を反故にして合意から再び離脱しない保証を含め、いくつか残る障害に関して進展があったという。
「非常に実質的な保証が得られた」と、この高官は述べた。「私の理解では、明文化された内容にイランは満足している」
イランで大きな力を持つイスラム革命防衛隊を米国務省の「外国テロ組織」の公式ブラックリストから削除することを求める同国の要求は、議題から外されたという。「将来的に」、すなわち今回の協議後に検討されることになる。
イランと米国はまだ、「制裁解除に関連した問題と、3月には存在しなかったがイランが核開発を進めたために生じた核関連のいくつかの問題」に関して合意に至る必要があるとのことだ。
「我々は少し疲れている。4週間後にここにいる自分を想像できない」と、このEU高官は洩らした。「これはいつもの協議ラウンドではない。合意内容を最終的に決定するために集まっているのだ」
「現実的な可能性はあると考えているが、容易ではないだろう」
米国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は木曜日に記者団に対し、「合意が卓上にある」のだからイランは「それを取るべきだ」と述べた。
同報道官は、「イランが合意に応じるのをいつまでも待つわけにはいかないと大統領が言ったのを皆聞いたはずだ」と述べ、「合意実現可能性という点で残された時間が非常に短くなりつつあるのは明らかなようだ」と続けた。
6月下旬には、プロセスを軌道に戻すためにカタールでイランと米国の間接協議が行われたが、事態の打開には至らなかった。
窮余の策として、先月EUのジョセップ・ボレル外交政策上級代表は妥協案を提出し、それを受け入れて「核危機の脅威」を回避するよう当事者に求めた。
同上級代表は、この案は「全当事者により苦労して得られた譲歩」を含んでおり、「制裁解除だけでなく、(2015年合意の)復活に必要な核軍縮措置を詳細に取り上げている」としていた。
木曜日、ウィーンの高級なコーブルク宮殿ホテルにおいて、EUのエンリケ・モラ代表の仲介のもとで二国間協議が始まった。
以前から交渉において親密な関係にあるイランとロシアの代表は別々に会合を開いた。
2015年7月、イギリス、中国、フランス、ドイツ、イラン、ロシア、米国は「包括的共同行動計画(JCPOA)」に署名した。全当事国の代表が木曜日の協議に参加することになったが、米国とイランの代表は直接対面しないとみられる。
JCPOAは、段階的な制裁解除と引き換えに、イランの核開発計画の非軍事的性質を保証することを目的としている。
しかし、2018年にドナルド・トランプ前大統領の米国が一方的に離脱し制裁を再開したのを受けて、イランは義務を放棄し始めた。
その後、イランはウラン濃縮度をJCPOAで規定された上限3.67%を超えるレベルに引き上げ、2021年初めには20%にまで高めた。
さらに、前例のない60%の閾値を超え、核兵器の製造に必要な90%に近づきつつある。
国連監視機関トップのラファエル・グロッシ氏は火曜日、イランの核開発が「極めて急速に進展しており、その野心と能力が高まっている」と警告した。
慎重な楽観
木曜日の協議に先立ち、関係者らは慎重に楽観していると表明しつつ、重要な問題に関して当事者間の距離が開いたままだと注意を促した。
制裁、イランが要求する保証、国連核監視機関である国際原子力機関による調査の終了などの問題だ。
協議に先立ち、米国代表のトップであるロブ・マレー氏とイラン代表のトップであるアリ・バゲリ氏はそれぞれ、誠実に取り組むが相手次第だという主旨のツイートをした。
JCPOAの復活が最良の選択肢であることに変わりはないとアナリストは言う。
カーネギー国際平和財団上級研究員のスザンヌ・ディマジオ氏は声明の中で、「米国にとって最悪の事態は、イランとの間に核危機が起こることだ。そうなれば、地域全体を巻き込む衝突へと容易にエスカレートしかねない」と述べている。
欧州外交評議会(ECFR)のアナリストであるエリー・ジェラマイエ氏は、「結局のところ、イランと米国はJCPOA崩壊の代案が酷いものであることを知っている」と言う。
同氏は、「未解決の問題を解決できる会合にはならないだろう」が、「協議を崩壊ではなくゴールの方に向けるために必要な突破口を開ける可能性はある」と語る。
AFP