• 両大統領は、政治・経済協力の強化を約束する声明を採択した
• 会談は、ウクライナ侵攻でロシアの孤立が深まる中で行われた

モスクワ：トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は金曜日、ロシアを訪問しウラジミール・プーチン大統領と会談した。トルコと国連の仲介による穀物輸出、ウクライナ停戦協議の見通し、シリア情勢、両国の経済関係の強化などが議論の中心となった。

黒海に面したソチのプーチン大統領の邸宅で行われた会談の冒頭、エルドアン大統領は、両大統領の交渉が「トルコとロシアが地域で果たす役割を前面に押し出す」助けになるだろうと述べた。また、世界中が注視していると述べ、この会談を極めて重要なものと位置づけた。

「今日は当然、世界の目がソチに向けられている」とエルドアン大統領は言った。「ソチで何が話し合われ行われるのだろうと注目が集まっている」

両大統領は、エネルギーや貿易を含む政治・経済協力の強化を約束する声明を採択した。

両大統領の会談は、ウクライナ侵攻でロシアの孤立が深まる中で行われた。

4時間におよんだ会談の終了後、ロシア政府は声明の中で、「地域・世界的な課題がある中でも、両大統領は両国関係をさらに発展させるという共通の意志を再確認した」と述べた。

ロシアによるウクライナでの軍事作戦に関しては声明では明確な言及はなかったが、両大統領はウクライナからの穀物輸出再開について、両国の「建設的な関係」が合意を可能にしたと強調した。

トルコがシリアのクルド人武装勢力に対して計画しているとされる新たな軍事作戦についても声明では直接の言及はなかった。
「両当事者は、（シリアにおける）政治プロセスの前進を非常に重視していることを確認した」と声明は述べている。

「全てのテロ組織との闘いにおいて相互に緊密に連携して共同行動を行う決意が再確認された」
また、プーチン大統領は会談の冒頭で、天然ガスパイプラインプロジェクト「トルコストリーム」を称賛し、欧州はロシア産天然ガスが途切れずに供給されることをトルコに感謝すべきだと述べた。

先月、トルコと国連の仲介により、5ヶ月以上前にロシアがウクライナに侵攻して以降ウクライナの黒海の港で滞留していた2200万トンの農産物を輸出できるようにすることでロシアとウクライナが合意した。この合意はまた、ロシアからの穀物や肥料の輸出も可能にするとしている。

金曜日、数千トンのトウモロコシを積んだ船が新たに3隻ウクライナの港から出航した。

プーチン大統領はエルドアン大統領に対し、穀物輸出交渉の仲介を感謝した。穀物輸出は、ウクライナ、ロシア、トルコ、国連の担当者によってイスタンブールから監視される。また、黒海には地雷が散布されているため、航行の安全確保のためにウクライナの船が貨物船を誘導する。

会談終了後、ロシアのアレクサンドル・ノヴァク副首相は記者団に対し、両大統領はロシア産ガス供給に対するトルコの支払いの一部をルーブルに切り替えることで合意したと発表した。ロシアは以前、ユーロ建て支払いの大半を停止しロシアの外貨準備高を凍結する欧米からの制裁を回避するために、EUへの輸出に対する支払いをルーブルに切り替えた。

金融面でも、ロシア企業や国民による支払いを促進するための「大きな」合意がなされたと同副首相は述べた。

「本日の会談でなされた非常に重要な決定は、実質的に全ての分野において我々の経済・貿易関係を新たなレベルに引き上げるだろう」と同副首相は記者団に語った。

シリア紛争においては、ロシアがイランと協力してバッシャール・アサド大統領の政権を支援する一方、トルコは反体制派を支援し、両国は互いに反対側の勢力に付いてきたことになるが、シリア北西部での停戦協定交渉では緊密に協力した。

金曜日の会談では、エルドアン大統領はプーチン大統領に対し、シリアに関する両大統領の話し合いが「地域に緩和をもたらす」ことを期待すると表明した。
会談後の声明において、両大統領は「全てのテロ組織との闘いにおける緊密な協力・協調」の必要性を強調した。

（AP、AFP）