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ラシュディ氏襲撃のマタール容疑者、殺人未遂で起訴されるも国際的支援があるため保釈却下へ

ホラティオ・ゲイツ氏提供の動画から切り出された静止画では、サルマン・ラシュディ氏がショートカで刺された後、ショトーカ・インスティテュート付近で医療搬送用ヘリに載せられている姿が確認できる。(AFP通信)
ホラティオ・ゲイツ氏提供の動画から切り出された静止画では、サルマン・ラシュディ氏がショートカで刺された後、ショトーカ・インスティテュート付近で医療搬送用ヘリに載せられている姿が確認できる。(AFP通信)
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15 Aug 2022 01:08:34 GMT9
15 Aug 2022 01:08:34 GMT9
  • 「人工呼吸器が外れて、回復に向かっている」と代理人のアンドリュー・ワイリー氏は語った
  • 8月13日土曜日の出廷で、容疑者は暴行と殺人未遂の罪について無罪を主張

シカゴ:8月12日金曜日にニューヨーク州のイベントで親イラン派の活動家に襲われたサルマン・ラシュディ氏の著作権代理人は、ラシュディ氏は人工呼吸器を外され、話すことができ、ジョークを飛ばしていたと述べた。

襲撃で逮捕されたヘイディ・マタール容疑者(24歳)は起訴されたが、検察はマタール容疑者の行動には国際的な支援があると主張し、保釈は却下された。

ラシュディ氏の著作権代理人であるアンドリュー・ワイリー氏が日曜日にメディアに語ったところによると、33年前(1989年)にイランの故ホメイニ師によって発せられた死刑宣告の「ファトワ」の対象となった作家であるラシュディ氏は、重傷のため入院した状態が続いているとのことである。

ワイリー氏は先には、ラシュディ氏の病状を見通しが暗いものとし、「重体」であり、「片目を失明する可能性が高い」、「腕と肝臓に損傷を受けている」と述べていた。

しかし、ラシュディ氏(75歳)の容態が改善したというニュースは希望をもたらし、世界中でテロを助長していると非難されている過激派イラン政権による失敗例として、今回の襲撃を和らげた。

ヘイディ・マタール容疑者(24歳)は、第2級殺人未遂と第2級暴行の容疑について無罪を主張した。マタール容疑者は13日土曜日の夜、ニューヨーク州シャトークア郡拘置所で罪状認否を求められた。

マタール容疑者は国際的な支援を受けており、容易に国外逃亡が可能であるとの検察側の主張により、保釈は却下された。

シャトークア郡地方検事ジェイソン・シュミット氏はマリリン・ジェラーチェ判事に対し、1989年にイランが発行したファトワは「保釈を考慮する上で重要な役割を果たします。昨日実行された議題は、シャトークア郡の管轄の範囲をはるかに超えた大きなグループや組織によって採用され、承認されているものだからです。そのため、この法廷で100万ドルの保釈金を設定したとしても、私たちにはこの保釈金が支払われるというリスクがあるのです」と述べた。

ニュージャージー州フェアビュー出身のマタール容疑者は、19日金曜日に再び法廷に出廷する予定だ。マタール容疑者の弁護は、裁判所から指定されたニューヨークの公選弁護人が担当している。

警察がマタール容疑者の動機やイラン政権支持者との関係の可能性について捜査を続ける中、イランのテロ行為と暴力の取り締まりを求める声が高まっている。

マタール容疑者のFacebookページやソーシャルメディアには、ホメイニ師をはじめとするイラン政権の幹部たちの写真が掲載されていた。

パリに本部を置くイラン国民抵抗評議会(NCRI)の外交委員会メンバーであるアリ・サファビ氏は、「サルマン・ラシュディ氏への刺傷は、自発的な行為ではない」と述べ、この襲撃を強く非難した。「30年以上前、イランの神権政治の創始者であるルホッラー・ホメイニ師が、ラシュディ氏を殺害するよう命じるファトワを発しました。ホメイニ師の後継者であるアリ・ハメネイ師がそれを承認し、国家機関は350万ドルの報酬を設定した。宥和政策は裏目に出て、テロを助長するという教訓です」

ビル・クリントン元米国大統領は、ツイッターで次のように書いている。「サルマン・ラシュディ氏は勇気をもってご自身の人生を生き、脅迫によって彼や彼の芸術、そして彼が支持するものを黙らせることを拒否してきました。私は彼のことを心に留め続け、回復を祈っています」

クリントン氏の投稿には、一部の作家から「クリントン元大統領はイスラム教徒やパレスチナ人への暴力に見て見ぬふりをしている」という批判が寄せられたが、マタール容疑者を賞賛するまでには至っていない。

ヒラリー・クリントン元米国国務長官は、次のようにツイートした。「サルマン・ラシュディ氏に対する卑怯な襲撃に恐怖を感じ、ラシュディ氏の一刻も早い回復を祈っています。かつてラシュディ氏は以下のように書いています。『詩人の仕事は名づけられないものに名前をつけ、詐欺を指摘し、味方し、議論を始め、世界を形成し、それが眠りについてしまうのを止めることである』」

シャトークワ郡の行政官P.J.ウェンデル氏は声明を出し、ラシュディ氏の回復を祈念している。

「シャトーカ総合学園という小さな静かなコミュニティは、暴力行為によってその根底から揺さぶられ、その衝撃がシャトークア郡とニューヨーク西部全域に響き渡っています。特に、世界中から思想家や問題を解決できる人物たちが物語を共有するために集うこの施設のような場所で、他者との違いに耳を傾けることができない社会で暮らしていることが残念です」と、ウェンデル氏は述べている。

「この恐ろしい事件に対応し、素晴らしい仕事をして下さった救急隊や法執行機関の皆様に感謝します。彼らの迅速な対応によって、状況を緩和し、加害者とされる人物を捕らえることができました」

作家のスティーブン・キング氏は、この襲撃で気落ちしているとツイッターに投稿した。「今日の午後は自分を元気づけようとしています。サルマン・ラシュディ氏に起きたことは、私の心を蝕んでいます」

米国のアントニー・J・ブリンケン国務長官は、イランの国家機関が果たした「何世代にもわたりラシュディ氏に対する暴力を煽ってきた」役割に対し「卑劣である」と非難し、イランの国家関連メディアが「最近、ラシュディ氏の命を狙った試みをほくそ笑んでいた」と付け加えた。

「私たちは、この凶悪な襲撃事件の影響を受け、サルマン・ラシュディ氏のことを心に留め続けている国内および世界中の人々と共に、思いを共有します。一人の偉大な文筆家である以上に、ラシュディ氏は表現の自由、宗教または信仰の自由、報道の自由という普遍的な権利のために一貫して立ち上がってきました。警察当局がこの襲撃事件の捜査を続ける中で、ヘイトスピーチや暴力の扇動など、こうした権利を損なおうとする悪質な勢力の存在を改めて認識しました」と同氏は述べている。

「米国とパートナーは、こうした脅威に立ち向かう決意を揺るがすことなく、あらゆる適切な手段を駆使して対応するでしょう。ラシュディ氏の強さ、そしてこのような脅威に耐えてきた世界中の人々の強さは、私たちが決意を固め、この普遍的権利に挑戦する者たちに対して国際社会として団結することの必要性を強調しています」と同氏は付け加えた。

バイデン大統領を強く批判している共和党のマーシャ・ブラックバーン上院議員は、バイデン氏のイランとの核兵器に関する合意形成への取り組みを攻撃し、討論を政治的なものに変えてしまった。

「イランは1989年からサルマン・ラシュディ氏の殺害を企てており、ラシュディ氏を暗殺した者に懸賞金を出していた。昨日、ラシュディ氏はステージ上で襲撃された。一方、バイデン政権は、この危険なテロリスト政権とのさらなる会談に前向きだ」とブラックバーン氏はツイッターに書いた。

ラシュディ氏は、ニューヨーク州バッファロー近郊にある非営利の教育センターであり夏のリゾート地でもあるシャトーカ総合学園で講演しようとしていたところ、襲撃された。ラシュディ氏は、アメリカが「亡命中の作家やその他の芸術家にとっての亡命先」となっていることについて講演予定だった。

警察によると、マタール容疑者はシャトーカ総合学園のゲーテッド・コミュニティ施設でのプレゼンテーションに参加するパスを持っていたが、パスは誰でも手に入れることができたという。

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