モハメド・ナジブ
ラマッラー:イスラエルの大学のチームがラマッラー北部の村で一連の考古学的発掘調査を始めた後、パレスチナ人は怒りをあらわにした。
ナビサレハの住民は、発掘は自分たちの土地で行われていると述べたが、バルイラン大学とイスラエル民生局双方の代表らは、この土地はイスラエルの支配下にある「国有地」に分類されていると述べた。
同大学のウェブサイトによると、その遺跡発掘現場に人が住んでいたのは青銅器時代で、ヨシュア・ビン・ヌンが生きて死んだ場所としてタルムードに記述されているティムナット・ヘレスという都市の一部を形成していたという。したがって、それはこの地域にユダヤ人が定住していたという証拠だ。
この地域で発見された陶器や硬貨は2世紀にさかのぼるという。
この村に住むバシム・アル・タミミ氏は、発掘が行われている地域の一つに1800平方メートルの土地を所有している。彼はアラブニュースに対し、イスラエル当局が彼の財産と彼の叔父の財産を支配しようとしているのではないかと心配していると話した。
「遺跡発掘という名目の下に地面を掘るのは、後で私たちの土地を支配するための口実・言い訳に過ぎない」と彼は話した。
入植者とイスラエル軍に地元の泉を奪われた後、アル・タミミ氏は、ナビサレハで2009年から16年にかけて、それらに対する有名な非暴力の抵抗を指揮した。この紛争でパレスチナ人6人が死亡し、数百人が負傷した。
ナビサレハ村議会議長であるナジ・アル・タミミ氏はアラブニュースに対し、イスラエルの発掘は3カ所に集中しており、各発掘現場は約100平方メートルに及ぶと話した。
イスラエルの考古学者は、発掘計画が実行されるのは7月25日から8月19日までと決まっていると言ったが、発掘が終わる気配はない。
「バルイラン大学はイスラエルの右派の牙城として知られている。考古学的目的よりも政治的色合いが濃い」とナジ・アル・タミミ氏は話した。
「彼らはヨシュア・ビン・ヌンの墓があることを利用し、この地域と歴史的関係があると主張し、それを口実に土地を奪うだろう」
同氏はまた、近くにある入植地ハラミッシュは、かつてナビサレハから奪った区画に建設したものなので、今回の発掘によって、この村の土地が新たに奪われることを懸念していると述べた。
この土地が国有地である証拠として、バルイラン大学は、かつてそこにヨルダン軍の基地があったと主張したが、航空写真によって、その基地は1967年から稼働していないことが分かった。
パレスチナ政府のイブラヒム・メルヘム報道官によると、パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は発掘を非難し、「この大学の行動は容認できない。パレスチナの土地の歴史に関する事実を改ざんしようとしている」と述べた。
週次閣議でシュタイエ氏はイスラエルの大学に対し、パレスチナの領土での遺跡発掘を中止するよう求めた。
一方、ビルゼイト大学のガサン・アル・ハティブ副学長はアラブニュースに対し、国際的な科学誌が、国際法とハーグ条約第二議定書に基づき、占領地で作業を行っているイスラエルチームによる発掘に関する考古学のレポートの発表を拒否していると話した。