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報道:イスラエルがガザ空爆 未成年者5人が死亡

墓の周りに座る、イスラエルの空爆で死亡したニジム家の子どもたちの親族。2022年8月8日、ガザ地区北部ジェバリヤのアル・ファルジャ墓地にて。(AP)
墓の周りに座る、イスラエルの空爆で死亡したニジム家の子どもたちの親族。2022年8月8日、ガザ地区北部ジェバリヤのアル・ファルジャ墓地にて。(AP)
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17 Aug 2022 05:08:05 GMT9
17 Aug 2022 05:08:05 GMT9
  • この爆発は、戦闘中に起こった多数の爆発のうちの1つだった。イスラエル軍のF16やドローンによる攻撃の形跡は見られなかった。
  • 犠牲となった4歳から16歳の5人の子どもたちは、地元の墓地に集まっていた。

ガザ地区ジェバリヤ:パレスチナの人権団体とイスラエルの新聞社による火曜日の報告によると、ガザ地区における直近の攻撃で、5人のパレスチナの子どもたちが死亡した墓地での爆発はイスラエルの空爆によるもので、パレスチナのロケット弾の誤射ではないという。

この爆発は、戦闘中に起こった多数の爆発のうちの1つだった。イスラエル軍のF16やドローンによる攻撃の形跡は見られなかった。イスラエル軍の見方では、パレスチナの過激派組織「イスラム聖戦」が誤射したロケット弾が原因である可能性もあるとのことであった。

犠牲となった4歳から16歳の5人の子どもたちは、8月7日、エジプトが仲介した停戦により3日間の激しい戦闘が終わる数時間前に、混みあったジェバリヤ難民キャンプの数少ない空き地の一つである、地元の墓地に集まっていた。

住民によると、空中から投下された投射物が墓地で爆発したという。AP通信が現場を訪れた際、イスラエルのF16やドローンによる通常の空爆の形跡は全く見られず、爆発はロケット弾の誤射によるものではないかという疑念が強まった。イスラエル軍とパレスチナの権利保護団体は当時、爆発についてまだ調査中であると発表していた。

火曜日、ガザ地区に拠点を置くパレスチナ人権センターは、破片やその他の証拠を調査した結果、爆発はイスラエルの空爆によるものだと結論づけたと発表した。

「これはイスラエル軍機から発射されたミサイルです」と、同センターのラジ・スーラニ所長は、ミサイルの製造番号を示す破片の写真を見せながら話した。

一方でイスラエルのハアレツ紙は、イスラエルの匿名の国防当局者の言葉を引用し、軍の調査では、5人がイスラエル軍の攻撃によって死亡したと結論づけたと報じた。

ハアレツ紙の記事について問われた軍は、依然としてこの件に関しては調査中であると回答している。イスラエル軍は、今回の戦闘では一貫して武装勢力のインフラを標的とし、「民間人や民間施設への被害を可能な限り少なくするため、できる限りの努力をした」と述べている。

火曜日に爆発現場で行われた遺族による座り込みで、サハル・ニームさんは、息子のモハメドさんを失ったことは、彼がパレスチナのロケット弾の犠牲になったという説によって、いっそう辛いものになったと語った。

「今までずっと虐殺の話は聞いていましたが、自分の身に降りかかると、本当に憂鬱になります」とニームさんは言う。「特に、国際社会の前で私たちを迫害者・テロリストとして描くために、(イスラエルが)これを否定するならなおさらです」

ダイアナ・ニジムさんは、戦闘が始まってから2日間屋内に避難していたため、息子のハミドさんがどうしても外に出たがったと話す。他の子どもたちと一緒に墓地に行ったのは、近所で遊べる唯一の広場だったからだという。

「これは世界で最も残酷な犯罪です」とニジムさんは言う。「これは意図的なものです。彼らは私たちを根絶やしにしたいのです」

ガザでの直近の戦闘は8月5日のイスラエル軍の空爆から始まり、イスラム聖戦の上級司令官と数人の民間人が死亡した。イスラエルは、占領下のヨルダン川西岸地区でイスラム聖戦の幹部が逮捕された数日後に、差し迫った脅威に対応するためだったと発表した。

その後3日間、イスラエルは狭く密集した海岸沿いのヨルダン川西岸地区で数十回の空爆を実施した。イスラエル軍によると、イスラム聖戦はイスラエルに向けて約1,100発のロケット弾を発射したが、そのうち約200発は命中せず、ガザ地区内に落下したという。

2007年以来ガザ地区を支配してきた、より大規模で軍事的に発達したグループであるハマスが今回の戦闘を見送ったのは、政権奪取後にイスラエルとエジプトが課した封鎖措置の緩和につながった、イスラエル側との対話を維持するためであったようだ。イスラエルとハマスは、過去15年間に4回の戦争といくつかの小規模な衝突を繰り返してきた。

今回の戦闘では、17人の子供を含む合計49人のパレスチナ人が死亡した。パレスチナの権利保護団体によると、少なくとも36人がイスラエルの空爆で死亡し、他の13人の死因についてはまだ調査中であるという。イスラエル人の死者や重傷者は出ていない。

イスラエル軍によると、初期の推定では、死者のうち少なくとも20人は武装勢力であり、14人はイスラム聖戦のロケット弾の誤射による死者であったという。この数にはジェバリヤ墓地での5人の死者は含まれていない。

墓地での爆発の前日、ジェバリヤの別の場所にある繁華街で爆発があり、7人が死亡した。イスラエル軍はこれをイスラム聖戦によるロケット弾の誤射が原因であるとし、その時点では同地域での空爆は行っていなかったと発表した。軍はその後、過激派のロケット弾が落下したとみられる映像を公開した。

この爆発後の映像には、ロケット弾の筒のようなものが地面から突き出ている様子が映っていた。AP通信が現地を訪れた際には筒はなくなっており、穴は埋められていた。パレスチナ側は通常、イスラエルの空爆の証拠を国際メディアに積極的に見せようとする。

今回の不審な事件を直に知るパレスチナ人は、公式に話すことに消極的だ。ハマスが運営する内務省は、メディアガイドラインでロケット弾の誤射を報道しないよう記者に指示したが、外国メディアの反発を受け撤回した。

パレスチナ人の多くは、ハマス、イスラム聖戦、その他の過激派グループを、数十年にわたるイスラエルの軍事支配に抵抗する自由の戦士とみなしており、こうしたグループを批判することは独立のための闘いを弱体化させると考えている。イスラエルと西側諸国は、イスラエルの民間人に対し死者を伴う数多くの攻撃を行ってきたことから、これらのグループをテロ組織とみなしている。

ガザ地区における4回の紛争で4,000人以上のパレスチナ人が死亡したが、その大半はイスラエルの攻撃によるものだった。国連によると、半数以上が民間人であるという。イスラエル側では、民間人、兵士、外国人居住者を含む100人以上が死亡している。

AP

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