
ラバト/カイロ: モロッコは金曜、チュニジアのカイス・サイード大統領がポリサリオ戦線運動の指導者を受け入れたことを受け、チュニジア駐在大使を呼び戻した。ポリサリオ戦線は、モロッコが自国領とみなす西サハラの独立を目指している。
モロッコは、今週末にチュニスで開催される日本のアフリカ開発サミットに、チュニジアがブラヒム・ガリ氏の招待を決定したことは、「モロッコ国民の感情を深く傷つける重大かつ前例のない行為」であると述べた。
この騒動は、西サハラをめぐる一連の紛争に新たな戦線を開くものである。西サハラをめぐっては、すでにスペインとドイツを巻き込み、モロッコと、ポリサリオの主要な支持国であるアルジェリアの間の、全般的な地域対立が激化していた。
チュニジアは今年、最も人口の多い隣国であり、エネルギー面で依存しているアルジェリアとの距離を縮めており、サイード大統領は7月にアルジェリアのアブデルマジド・テブン大統領と会談を行っている。
チュニジアは今週末、アフリカ諸国のいくつかの国家元首も参加する「アフリカ開発のための東京国際会議(アフリカ開発会議)」を開催する。
モロッコの決定を受け、チュニジアは協議のためラバト駐在大使を呼び戻すことを発表した。
チュニジア外務省は土曜の早朝に声明を出し、同国は「国際的正当性に従って西サハラ問題に関し完全な中立」を維持していると述べた。
声明によると、アフリカ連合は、チュニジアで開催されるアフリカ開発会議の活動参加に、ポリサリオ戦線運動の指導者を含むアフリカ連合の全メンバーを招待する覚え書きを回覧したという。
また、アフリカ委員会の委員長が、ブラヒム・ガリ氏に直接、サミットへの出席を個別招待したと、声明は述べている。
会議では、アフリカ連合の現在の議長国であるセネガルのマッキー・サル大統領の講演が予定されている。アフリカ連合は西サハラを加盟国として認めているが、アフリカ諸国はポリサリオと西サハラ独立の両方をめぐり、分裂している。
モロッコは、外務省の簡潔な声明で、もうサミットには参加しないだろうと述べた。また、チュニジアが最近、モロッコに対する「否定的な立場を強化した」とも非難し、ガリ氏の受け入れを決めたのは「露骨な形で敵意を認めるものだ」と述べている。
西サハラの主権が認められることは、モロッコにとって、最も大切にされてきた長年の外交目標である。2020年には米国が、イスラエルとの緊密な関係にモロッコが同意する見返りに、その主権を承認した。
それ以来、モロッコは西サハラをめぐりより厳しい姿勢を取るようになり、スペインとドイツに対しては、西サハラに対するモロッコの姿勢に歩み寄りを見せるまで、両国の駐在大使を引き上げている。
アルジェリアは、ガスの主要顧客であるスペインが西サハラに関する姿勢を突然転換したことを受け、同国のスペイン駐在大使を引き揚げた。
AFP