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故ムバラク大統領の息子たちによる選挙出馬を差止める訴訟が提起された

市民権・人権支援国立センターのアブデル・サラム・イブラヒム・イスマイル所長は、エジプトの故ホスニ・ムバラク大統領の息子であるアラア・ムバラク氏およびガマール・ムバラク氏によるエジプトの高官職への立候補阻止を目的とした訴訟を起こした。(AP/資料写真)
市民権・人権支援国立センターのアブデル・サラム・イブラヒム・イスマイル所長は、エジプトの故ホスニ・ムバラク大統領の息子であるアラア・ムバラク氏およびガマール・ムバラク氏によるエジプトの高官職への立候補阻止を目的とした訴訟を起こした。(AP/資料写真)
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24 Sep 2023 12:09:31 GMT9
24 Sep 2023 12:09:31 GMT9
  • この訴訟は、不正利益の取得に関して息子たちを告発するもので、世界中から密かに持ち込まれた資金の回収を求めている
  • 彼らの立候補を阻止することに加えて、イスマイル所長による訴訟は、海外に密輸されたとされる資金の回収を求めている

ライラ・モハメッド

カイロ:市民権・人権支援国立センターのアブデル・サラム・イブラヒム・イスマイル所長は、エジプトの故ホスニ・ムバラク大統領の息子であるアラア・ムバラク氏およびガマール・ムバラク氏によるエジプトの高官職への立候補阻止を目的とした訴訟を起こした。

この訴訟は、不正利益の取得に関して彼らを告発するもので、世界中から密かに持ち込まれた資金の回収を求めている。

イスマイル所長は、1977年の法律第20号第44条に従い、ムバラク氏の息子に対する捜査開始を拒否した法務大臣の決定取消しを求めて緊急訴訟を起こしたと述べた。

息子たちの立候補を阻止することに加えて、イスマイル所長による訴訟は、海外に密輸されたとされる資金の回収を求めている。

所長は、それらの資金はエジプト国民のものであり、不動産か流動資産か、エジプト銀行または外国銀行への預金であるのかといった形態にかかわらず、返還されるべきであると述べた。

イスマイル所長は、国家の一般財務省に役立てるためそれらの資金を財務省に引き渡す必要があると付け加えた。

彼は訴訟について、エジプト国民の財産を守るという使命感に駆られて実行した、と述べた。

「今回の要求は、2024年に迫っている大統領選挙とは一切関係ありません。それよりも、ムバラク政府の象徴によって略奪されたエジプトの人々のお金に対する、市民としての配慮なのです」とイスマイル所長はいう。

しかし、政治社会学の研究者であるアマル・アリ・ハッサン氏はXへの投稿で、アラア氏もガマール氏も政治的地位に手をあげていないことを指摘し、疑問を提起した。

「裁判所が彼らに公職への立候補を許可し、政治参加への扉が潜在的に開いた場合、何が起こるでしょうか」とハッサン氏は述べている。

この法廷問題の始まりは、エジプトの裁判所がムバラク氏とその息子たちに3年の懲役刑を宣告した2015年5月にさかのぼる。

なお彼らには、約1億2600万エジプトポンド(400万ドル)の罰金が科された他、約2100万エジプトポンドの返還も命じられた。

この判決は、有名な「大統領官邸」事件で公金を横領したことに対する有罪判決に続くものだった。

大審院が支持したことにより、2016年1月にそれが最終判決となった。

匿名を選択したある法律専門家は、この事件の複雑さを強調した。

この専門家によると、アドリー・マンスール暫定大統領の時代に制定された2014年の法律第22号では、たとえ評判が回復されていても、大統領に立候補する人物は、重罪や、名誉または信用に対する罪で有罪判決を受けたことがあってはならないと規定されている。この法律の解釈は、法律専門家の間で引き続き争点となっている。

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