
アルホル、シリア:米国の支援を受けるシリアのクルド人治安部隊が、記録的なレベルまで暴力が激化している北東部の大規模な収容施設で、ダーイシュの潜伏工作員を標的とする新たな作戦を開始した。
国内難民やダーイシュの戦闘員と疑われる人々の家族を収容するアルホルキャンプでは、今年、14人の女性を含む少なくとも44人が殺害されている。
「アルホルキャンプのダーイシュ工作員による暴力事件の激化と増加によってもたらされた緊急の必要性から、この時期に作戦を開始した」と、シリア北東部の半自治区で活動する国内治安部隊のスポークスマン、アリ・ハッサン氏は述べた。
ハッサン氏はロイターに対し、犠牲者には「残忍な拷問」の形跡が見られ、消音装置付きのピストルやライフルで殺害されていることが多く、遺体は下水管に隠されていると語った。
「昨年と比べると、特に脱獄未遂事件の最中やその後に、キャンプ内で作戦行動のペースが上がっている」という。
ハッサン氏が言及しているのは、シリア北東部の拘置所で1月に起きた暴動のことだ。この暴動では、脱獄を試みたダーイッシュの容疑者たちが収容施設の一部を占拠し、数十人が逃亡した。
ハッサン氏は、アルホルで行われた暴力事件の犯人は、今も自由に動き回っているダーイシュの部隊と接触している可能性が高いと述べた。
アルホルには約55,000人が暮らしており、その中には、聖戦士たちが米国の支援するシリア民主軍の攻撃に直面する中、ダーイシュの支配地域から逃れたシリア人、イラク人、その他の国の人々がいる。
国連難民機関は6月、キャンプの状況を「破局的」と表現し、女性や少女を攻撃から守るため、新たに「安全な空間」を作る必要があると述べた。
同機関によれば、人道支援団体が施設を破壊され、機材が略奪されたほか、キャンプ内の治安問題で度々ロックダウンされるため、援助従事者が困っている人々に接触できる機会が減少しているという。
ロイター