靖国神社(東京都千代田区)で5月、石柱に英語で「Toilet(トイレ)」と落書きしたとして、器物損壊と礼拝所不敬の罪に問われた中国籍の姜卓君被告(29)の初公判が29日、東京地裁(福家康史裁判官)であり、被告は「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、埼玉県在住の姜被告は動画配信に携わる中国籍の男2人=いずれも指名手配=とSNSで連絡を取り、事件2日前に直接会ったと指摘。翌日に都内の雑貨店でスプレーを購入するなど落書きの準備を担ったとした。
姜被告は被告人質問で、動機について東京電力福島第1原発の処理水海洋放出への抗議だったと説明。「靖国神社への恨みはなかった」と話した。
起訴状によると、姜被告は男らと共謀し、5月31日、靖国神社の石柱に赤色スプレーで「Toilet」と大きく書いて汚損(損害見積額462万円)。公然と不敬な行為をしたとされる。
靖国神社では8月にも、石柱やその台座に中国語でトイレを意味する「厠所」などと落書きされる事件が発生。警視庁は今月21日、器物損壊容疑などで中国籍の10代少年の逮捕状を取った。
時事通信