
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:国際的に承認されたイエメン政府は29日、フーシ派を、南部タイズ市と他の都市を結ぶ唯一の道路に破壊的な攻撃を行うことによってタイズの包囲を強化しようとしているとして非難した。そして同政府は国連イエメン担当特使と国際社会に対し、フーシ派に厳しい圧力を掛けて攻撃をやめさせるよう改めて求めた。
イエメン政府によると、この24時間でイエメン軍兵士10人が死亡、7人が負傷した。同軍は、タイズ市の西の入口でフーシ派が同軍兵士に対して行った新たな地上攻撃・砲撃を撃退した。
「これ(今回の攻撃)は、イエメン内戦の終結と和平の実現を目指す全ての取り組みや努力に対する明らかな挑戦であり、人道的停戦を延長・拡大しようとする努力を台無しにしている。そして、すでに7年間包囲されているタイズ市の包囲を強化しようとしている」とイエメン政府は発表した。
28日夜、フーシ派はアル・ダバブ通りに配備された部隊を砲撃した後、タイズの現場に向かって進撃した。タイズを制圧し、最終的にタイズの包囲を強化するのが目的だ。
フーシ派が攻撃した後、イエメン軍とフーシ派との間で激しい戦闘が起きたが、29日朝までに同軍は首尾よく攻撃を撃退した、と軍当局者らは発表した。軍関係者らによると今回の攻撃は、4月2日に国連が仲介した停戦が始まって以降、最も激しく、最も多くの死者を出したという。
今回のフーシ派の攻撃は、国連が支援する、イエメン政府とフーシ派から成る緊張緩和軍事委員会が、停戦協定違反とタイズでの交通の再開について協議するためにアンマンに到着したときに行われた。
「緊張が危険なほど高まっているため、イエメン政府は国連特使に対し、自らの責任を担い、タイズにおけるフーシ派の犯罪行為、内戦の規模を拡大させる行為を非難するよう求めている」とイエメン政府は発表した。
2度更新された、国連が仲介した停戦協定の下、紛争当事者らは戦闘の停止、フーシ派が支配するサヌアから出航する商業便の許可、ホデイダ港に入港する燃料船の増便の許可、タイズや他州での交通の再開を目指すアンマンでの協議への参加に合意した。
タイズ州での交通の再開は、フーシ派が包囲の解除に関する提案を拒否しているため、停戦協定の条項の中で唯一実施されていない。フーシ派は、タイズ市内にある狭い未舗装道路1本を再開させることを提案した。
アンマンで開かれる、タイズの包囲に関する会議に出席する政府代表団のアブドル・カリーム・シャイバン団長は29日、アラブニュースに対し、ハンス・グルンドベルグ国連イエメン担当特使はフーシ派の攻撃と兵士の死に警戒していたと話した。停戦中、フーシ派がタイズ市郊外に戦力を集結させていたため、タイズ市は長い間攻撃に備えていた、と同氏は述べた。
「フーシ派は停戦も安定も国際憲章も宗教的・部族的規範も信じていない」とシャイバン氏は述べた。
人権団体は29日、フーシ派に対し、深刻化している人道危機を緩和するため、タイズ市とその周辺の交通を再開して包囲を終わらせ、住民が自由に出入りできるようにするよう求めた。
「フーシ派の規制のせいで、市民は危険できちんと整備されていない山道を通らざるを得なくなっている。タイズ市の包囲された住民と他の地域とをつなぐ唯一の道だ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの中東・北アフリカ副局長であるマイケル・ペイジ氏は述べた。
「主要道路が再開すれば、7年間ほぼ完全に孤立している住民の苦しみを和らげるのに大いに役立つだろう」