
ナジャ・フーサリ
ベイルート:サウジアラビアはベイルートにある同国大使館を脅迫したサウジアラビア人男性の逮捕およびレバノンからの引き渡しを求めていると、駐レバノン・サウジアラビア大使が火曜に述べた。
ワリード・ブカーリ大使はレバノン内相との会談の後、「テロリストの脅迫について必要な法的手続きをとるようレバノンの管轄当局に要請する」と述べた。
レバノンの治安部隊は先週、レバノン南部のNabatiehにあるサウジアラビア人アリ・ビン・ハシェム・ビン・サルマン・アルハッジの自宅を家宅捜索した。アルハッジ容疑者は、ベイルートにあるサウジアラビア大使館の「中にいる全員を死滅させる」と脅迫し、ヒズボラへの支持を表明した自身の音声記録をインターネット上に投稿した。
アルハッジ容疑者は2017年にサウジアラビアでテロ犯罪の有罪判決を受けた。判決の前に同国を逃れ、イラクおよびシリアを経て、ベイルート南郊に住み着いたとみられている。現在はシリアにいると、本人は主張している。
ブカーリ氏は火曜にレバノン当局に対し、アルハッジ容疑者を見つけ出して身柄を引き渡すよう要請した。「この件に関して外務省に公式外交文書を提出した」と同氏は述べている。
ブカーリ氏はまた、サウジアラビアへの違法薬物の密輸に対する厳しい取り締まりを継続するようレバノン治安部隊に要請し、サウジアラビアは2015年以降にレバノンから、もしくはレバノン経由で密輸された7億個の麻薬錠剤と数百キロのハシシを押収してきたと述べた。
サウジアラビアは、果物の輸送に紛れて密輸された数百万個のアンフェタミン錠剤カプタゴンを押収した後、対策を怠ったとしてレバノンを非難し、昨年4月にレバノンからの果物と野菜の輸入を停止した。この薬物は主にシリアとレバノンで製造され、湾岸地域に密輸されている。
今年のNew Lines Instituteの報告書による、 2021年の中東におけるカプタゴンの取引額は50億ドルを超えており、地域の健康および治安に対する脅威が高まっているという。
ブカーリ氏は、サウジアラビアはレバノンにおいて麻薬密輸対策活動の改善を確認していると述べ、レバノン当局に対し「麻薬や向精神剤の密輸とそれに関わる組織犯罪との戦いにおける協力体制をさらに強化する」よう呼びかけた。